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「あの子だけ特別扱いしている」"良い先生ほど消耗する"コンプライアンス時代の先にあるのは教育現場の絶望

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職員室で悩む教員
今の学校現場では「良い先生」ほど消耗するという逆説が生じている(写真:kapinon/PIXTA)

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コンプライアンスが厳しくなった現代。いい先生の定義が変わりつつある中で顕在化する教育現場の闇について、西岡 壱誠氏が上梓した新刊『カスハラ化する保護者たち』から抜粋して紹介します。

「いい先生」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、生徒に対して熱心な先生ではないでしょうか。授業の準備に時間をかけ、悩んでいる生徒には放課後も残って話を聞く。かつて『3年B組金八先生』が描いたような、生徒の生活にまで踏み込んでいく教師像は、長らく学校現場の理想型として共有されてきました。

ところがいまの学校では、その「熱心さ」を素直に発揮することが、年々難しくなってきています。距離を縮めすぎれば咎められ、踏み込みすぎれば「行き過ぎ」と言われる。皮肉なことに、現場でもっとも消耗しているのは、かつての基準でいえば「いい先生」と呼ばれていたであろう人たちだったりします。

数字に表れる「静かな異常」

まず、現場で何が起きているのかを、数字から確認しておきます。

東京都教育委員会が実施した教職員アンケート(令和7年4月公表)では、過去5年間に「通常の社会通念から疑問と感じる行動や行為」を外部から受けたことがあると答えた教職員は22%にのぼりました。その相手として最も多かったのは保護者で、全体の88%を占めています(※1)。東京都が2025年4月に全国初の「カスタマー・ハラスメント防止条例」を施行し、学校現場にもこれを適用したのは、こうした実態が背景にあります。

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