ホテル世界最大手の米マリオット・インターナショナルが、日本での出店を加速させている。ラグジュアリーと呼ばれる最高級ホテルの展開を進める一方、手の届きやすい価格帯のカテゴリーであるミッドスケールでビジネスホテルの開業に注力する。
日本における戦略拠点と位置づけたのが大阪だ。4月に「シリーズ by マリオット」、5月に「シティエクスプレス by マリオット」を相次いで開業した。同社は「展開するビジネスホテルの全ブランドが世界で唯一そろうのは日本であり、この大阪のみ」とする。
旺盛な訪日客需要を追い風に日本の市場環境は良好だが、足元では日中対立による中国人客の減少や、イラン情勢といった懸念材料もある。マリオットのアジア太平洋地区(APEC、中国を除く)で、最高執行責任者(COO)を務めるニーラジ・ゴビル氏に、日本での出店戦略などを聞いた。
――日本を含むAPECの2025年のRevPAR(「客室平均単価×客室稼働率」で算出、1部屋当たりの売り上げを指標化したもの)は、前年比8.4%増の133.12ドルでした。APECが世界平均(同2%増の128.80ドル)を上回った要因は。
APECは若い人口が多く、経済成長の著しい地域が多数ある。政治的な安定性もあり、アジア圏内で旅行する人が多かった。ホテル数が増えて成長している。
特に日本のRevPARは13.1%増となり、この地区の中でも非常に大きく伸びた。訪日客が約4300万人と記録的な数字だったことに加え、われわれのホテル開業や大阪・関西万博が大きな要因となった。万博に行くための経由先となった東京の成長も著しかった。
――今年も成長できそうですか。
今のところ前年を上回って成長できている。ただ、25年との違いが3つある。1つ目は万博がないこと。2つ目は昨年の10~12月からの傾向だが、中国人客が減少していること。3つ目は中東情勢だ。影響はまだまだ限定的で少ないものの、今後の状況次第ではどうなるかわからない。
これらはいずれもマイナス要因。しかし、アメリカや韓国などからの利用客の需要は非常に大きく、中国人客の減少をオフセット(相殺)できている。
――中国人客の減少による宿泊価格への下押し圧力はありませんか。
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