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ビジネス #AI大失業が来る

AIはすごすぎて脅威なのか、それとも欠陥があるから問題か?AIをとりまく〈ナラティブ〉を読み解く3つの視点

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AIをとりまく言論が交錯する中、読み解くには補助線が要る(撮影:今井康一)
  • 佐久間 弘明 東京大学学際情報学府博士課程/一般社団法人AIガバナンス協会理事

INDEX

「神様、どうか迷っているドミンやその他の者すべてに光明をお与え下さい。その者たちの作り出したものを破壊し、人々が心労と労働に戻りますようにお助け下さい。人類を破滅しないようにおとめ下さい。心と身体の損失をさせないようにして下さい。われわれからロボットをお取り上げ下さい……」(建築士アルクビスト)
カレル・チャペック『ロボット』(千野栄一訳、岩波文庫)p.82

およそ100年前、「ロボット」という言葉を社会に広めたカレル・チャペックは、その戯曲の中で人造人間であるロボットたちが人類を裏切り、滅ぼそうとする未来を描いた。これはあくまでSFだが、今なお私たちの想像力をかき立てるものがある。

そして、現代において最も人びとのコミュニケーションに登場し、各自の想像する未来像に影響している技術は、間違いなくAI(人工知能)だろう。

ナラティブは現実を変える

技術をめぐる想像は、「ナラティブ」——技術の性質や影響を物語的に構成し、その解釈を方向付ける語り——という形でコミュニケーションされる。仮に技術の「いま現在のあり方」がひとつでも、それを解釈し、未来像を描く人々のナラティブはそれぞれ異なるものになる。

ナラティブは技術の性質を踏まえて形成され、またそれによって引き起こされる政治経済的な変化が、逆に技術のあり方を変容させる。

たとえばインターネットという技術は、1990年代以降、「国境なき民主主義の道具」といったユートピア的ナラティブでたびたび語られてきた。こうしたインターネットの自由を強調するナラティブは、政府による規制に反対する理由としても機能してきた側面がある。

しかし、特に2010年代以降、たとえば「監視資本主義」など、インターネットがもつ搾取的な構造とその弊害を指摘するカウンターナラティブが登場してきており、現実にも規制が進められている。

AIナラティブを読み解く3冊と3つの視点

本稿では、こうした技術をめぐるナラティブの社会学的な分析を専門とする筆者の立場から、AIについての最新のナラティブの構成を読み解いてみたい。

現代のAIナラティブを網羅的に取り扱うことは不可能だが、邦訳が刊行されたばかりの3冊の書籍に含まれる主張を代表例として比較しながら取り扱うことで、今後そうしたAIナラティブと向き合う際の視点を提案することを目指す。

  • ユドコウスキー&ソアレス著『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』(櫻井祐子訳、早川書房)
  • ナラヤナン&カプール著『AI過大評価社会——AIには何ができて、何ができないか』(的場知之訳、草思社)
  • カープ&ザミスカ著『テクノロジカル・リパブリック——国家、軍事力、テクノロジーの未来』(村井章子訳、日本経済新聞出版)
(撮影:今井康一)

AIナラティブを読み解く際の基本的な視点として提案したいのは、以下の3点である。

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