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これからの国際関係を読み解くうえでカギになるのが「協商」(entente、アンタント)という概念と筆者は考えている。
協商とは、〈もとは〈了解〉を意味するフランス語の「アンタント・コルディアルentente cordiale」の短縮された言葉で、外交用語として、対外事務の遂行や第三国からの軍事的侵略の際の協力など国際的な関係事項に関する特定国家間の協調提携関係をいう。訳語や用例は慣用もあって必ずしも一定していないが、政治学的には以下のように区別される。協商は国家間の条約treaty(国際法にのっとり書面形式で締結された国家間の国際的合意のことで、広義の条約は協約convention、協定agreement、取決めarrangementなども含む)というよりもむしろ非公式な合意をいい、同盟allianceのような武力的援助義務の規定をもたない弾力的な関係である。〉(『世界大百科事典』平凡社、義井博氏執筆、ジャパンナレッジ版)
歴史的には、これまで敵対関係にあったフランスとイギリスが1904年、突如、合意した英仏協商の事例が興味深い。歴史学者の木谷勤氏は英仏協商が成立した経緯についてこう述べる。
〈一九〇二年日英同盟の成立は、ロシアの同盟国フランスにも脅威となった。ヨーロッパで孤立することを恐れるフランスは、ロシアの極東での膨脹政策を憂慮しながらもなおロシアを見捨てることができなかったが、日露の間に戦争が起り、もしフランスがロシアを援助する場合、日英同盟第三条により、イギリスの参戦を招くこと必至であったので、英仏関係の改善が急務となった。すなわち、ロシアが東に向っている限り、露仏同盟の意義はフランスにとりいちじるしく減少し(中略)、フランスは西に向い、イギリスとの関係改善を真剣に考慮せざるをえなかったのである。〉(木谷勤「8 第一次世界大戦前の国際対立」『岩波講座 世界歴史23 帝国主義時代Ⅱ』岩波書店、69年)
帝国主義的な取引外交の典型
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