定年後も働くなら、当面は使う予定のないお金を運用に回し、できるだけ増やすことに努めるのが合理的だ。
投資の裾野が広がる
「預貯金と生命保険しか利用したことがなく、運用に関して保守的なお客様の相談に乗ったことがありました。先日、久々に面談したら、新NISAで投資を始めたいと言われて驚きましたね」(藤川さん)
同制度を通じた運用で得られた利益には税金がまったく課されないのだから、投資の裾野が広がるのは当然かもしれない。
ちなみに、新NISAのつみたて投資枠で際立った人気を誇る「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー=オルカン)」の過去5年間のリターンは19.23%に達していた(今年4月末時点)。
この投資信託は、世界の株式市場の平均的な値動きを示す株価指数に連動する設計になっている。
保守的な姿勢を貫く人たちにとっても、一括返済よりも運用を選ぶほうが有利な環境が整ってきている。
2024年3月から日本銀行が利上げを進め、預貯金をはじめとする比較的安全確実な金融商品の利回りも向上している。
「たとえば、今や10年物国債(新規発行債)の利回りは2.5%超に達しています。リスクを取らない運用でも住宅ローンの金利負担分を十分にカバーできます」(同)
利上げの話は、変動金利型の住宅ローンを利用している人にとって“痛し痒し”かもしれない。なぜなら、先々で適用金利が引き上げられていく可能性が考えられるからだ。藤川さんは次のように説く。
「そもそも、現時点で50歳代の方々が借りている住宅ローンは超低金利時代のもので、当初の適用金利がかなり低い。それに、金利上昇に伴う急激な負担増を防ぐ『5年ルール』や『125%ルール』も設けられています」
