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2年に一度、薬剤師の報酬や薬価などを見直す調剤報酬改定。薬価の引き下げや薬剤師のベースアップが加速しコストの圧迫が強まる薬局は、岐路に立たされている(関連記事は
こちら)。
今年4月から見直しの対象となったのは、医療モールだ。これまでは個々のクリニックごとに計算されていた処方箋の集中率が、今後は建物全体で合算される。特定の病院からの応需が85%を超えると、薬局が受け取る調剤基本料(手数料)が減額されることになる。
調剤基本料は、処方箋の受付や服薬指導などに対して支払われる報酬で、薬局経営を支える重要な収益源だ。医療モールはこれまで同じ建物に入居するクリニックから、多くの処方箋を効率的に応需するビジネスモデルだった。
調剤薬局を運営する総合メディカルグループは現在、全国796店舗の薬局のうち200以上の店舗が医療モールに併設されている。2020年に国内系投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループによるTOB(株式公開買い付け)で非上場化している。25年4月に同社の代表取締役社長に就任した多田荘一郎氏に、今回の調剤報酬改定に対する見方と成長戦略を聞いた。
患者が議論の軸になりにくい
――今回の調剤報酬改定では、医療モール併設の調剤薬局の報酬体系が見直されました。
今回の改定はドラスティックすぎる。今後、新たに開設される医療モールに対する基準を厳しくするのは理解できる。しかし、従来制度の下で整備されてきた既存の医療モールや薬局まで一律に評価を見直すことには違和感がある。それを前提に投資して事業を展開してきた企業にとっては影響が大きく、予見性が失われてしまう。
厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会は、2年に1度行われる診療報酬や調剤報酬の改定において、具体的な点数の配分や新たなルールの制定について実質的な議論と決定を行う、医療制度における最高意思決定機関だ。
しかし、その構成メンバーは医療を提供する医療団体と医療費を負担する健康保険組合等の利害調整が中心であり、未来に向けた事業の予見性や、真に患者が求める価値基準が議論の軸になりにくいという課題を抱えている。