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細木数子の半生は「戦後日本」そのものだ―― 2度断った監督と口説いたプロデューサーが語った「地獄に堕ちるわよ」の深層

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戸田恵梨香が演じる細木数子
戸田恵梨香が演じる、若かりし頃の細木数子(写真:Netflix)
  • 境 治 メディアコンサルタント
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「だけど僕は、どのような犯罪を犯した人も、否定はしないんです。存在としては肯定してます。あんだけテレビに出て、1億人と毎週勝負をして、ある時期勝ち続けた人ですから、スゴみがある」(瀧本監督)

岡野プロデューサーにも同じ問いをぶつけてみた。

「礼賛も断罪もしないのが自分の中のポリシーです。どちらでもないという思いで企画しました」(岡野プロデューサー)

だからといって変な配慮もしない。「忖度(そんたく)はしてません。描けなかった要素は一切ないです」と岡野プロデューサーはきっぱり言った。

瀧本監督も「どう描いても誰かにボロクソ言われるのはわかっていたんで。腹決めて、自分が見たいかどうかだけを基準にした」と語る。

多くの女性視聴者を引きつけたワケ

岡野プロデューサーはフェミニズムは強く意図してなかったという。

「でもSNSで、女性たちから『これがまさに見たかったフェミニズムの話だ』という声をいくつか見かけたのはうれしかったですね」(岡野プロデューサー)

お札を燃やす細木数子(写真:Netflix)

象徴的なのは、一度嫁いだ三田家で飼っていた鶏を料理にして去っていったシーンだ。岡野氏が絶対に入れたいと主張した場面だが、実は瀧本監督は鶏が大の苦手だった。

「鶏自体がもうだめで。鶏小屋のシーンの撮影のあと一日中、じんましんが出てました」と瀧本監督は笑う。編集段階で何度も外そうとしたが、岡野プロデューサーが「絶対戻してください」と譲らなかった。

「あのシーンを気に入ってもらえているとしたら、それは岡野さんの功績です」(瀧本監督)

結果としてあの場面は、多くの女性視聴者にとって旧家と決別するカタルシスとなった。

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