「だけど僕は、どのような犯罪を犯した人も、否定はしないんです。存在としては肯定してます。あんだけテレビに出て、1億人と毎週勝負をして、ある時期勝ち続けた人ですから、スゴみがある」(瀧本監督)
岡野プロデューサーにも同じ問いをぶつけてみた。
「礼賛も断罪もしないのが自分の中のポリシーです。どちらでもないという思いで企画しました」(岡野プロデューサー)
だからといって変な配慮もしない。「忖度(そんたく)はしてません。描けなかった要素は一切ないです」と岡野プロデューサーはきっぱり言った。
瀧本監督も「どう描いても誰かにボロクソ言われるのはわかっていたんで。腹決めて、自分が見たいかどうかだけを基準にした」と語る。
多くの女性視聴者を引きつけたワケ
岡野プロデューサーはフェミニズムは強く意図してなかったという。
「でもSNSで、女性たちから『これがまさに見たかったフェミニズムの話だ』という声をいくつか見かけたのはうれしかったですね」(岡野プロデューサー)
象徴的なのは、一度嫁いだ三田家で飼っていた鶏を料理にして去っていったシーンだ。岡野氏が絶対に入れたいと主張した場面だが、実は瀧本監督は鶏が大の苦手だった。
「鶏自体がもうだめで。鶏小屋のシーンの撮影のあと一日中、じんましんが出てました」と瀧本監督は笑う。編集段階で何度も外そうとしたが、岡野プロデューサーが「絶対戻してください」と譲らなかった。
「あのシーンを気に入ってもらえているとしたら、それは岡野さんの功績です」(瀧本監督)
結果としてあの場面は、多くの女性視聴者にとって旧家と決別するカタルシスとなった。
