前述で、「画像検査ができなかった」と紹介した微小血管狭心症だが、近年、診断技術の発達で、”見える化”できるようになった。
「検査は、胸痛や心筋虚血などの症状はあるけれど、通常の心臓カテーテル検査では狭窄が見つからない人で、かつ微小血管狭心症が疑われる人に対して行います」と辻田医師。
この検査は、狭心症を見つけるための心臓カテーテル検査と一緒に行われ、専用のガイドワイヤーを挿入することで、微小血管の血流の様子がわかるようになっている。
「もちろん、カテーテル検査は体への負担が小さくありません。そのため、微小血管狭心症の可能性が高くても検査は行わず、心電図や冠動脈CTなどで問題がないことを確認できれば、あとは薬で症状が改善するかをみる“診断的治療”が行われることもあります」(辻田医師)
微小血管狭心症が怖い理由
そもそも、微小血管狭心症は命に関わらないのだろうか。
辻田教授は「正確に言えば、微小血管狭心症は短期的・直接的に命を奪うものではない」と話す。とはいえ、安心できるかというと、そうではない。
微小血管狭心症を放置していると心臓の機能が徐々に落ちていくため、長期的には心筋梗塞や心不全などのリスクが高まり、予後が圧倒的に悪いことが研究でもわかっている。
「患者さんとかかりつけの医師が歩調をそろえて、長期的にコントロールしていくことが大事な病気です」(辻田医師)
見方を変えると、40~50代で微小血管狭心症を発症した場合、そこで積極的な治療や生活改善ができればむしろ、「その後に起こりうる心筋梗塞や心不全などを防ぐ、または発症を遅らせられる」という前向きな捉え方もできるという。
では、微小血管狭心症はどう治療するのだろうか。
