実際、OpenAIのChatGPT 5.5が、ミュトスに匹敵、あるいはそれを上回る能力を持つとの指摘もある。ミュトスだけが特別なのではなく、今後あらゆるモデルが同様の能力を持つのは時間の問題だ。
フロンティアAIそのものが、人間をはるかに超えるスピードで脆弱性探索・攻撃自動化へ向かっている。現在はアメリカモデルが先行しているが、オープンソース化などによって、APT(国家支援型のサイバー攻撃グループ)が同等性能を持つ未来は避けられない。
つまり、サイバー攻撃の攻撃側・防御側がいかにAIを駆使して攻撃するか・守りを固めるかの速度競争になっている。AIは「精度」だけではなく、「速度」でも世界を変えている。
「パッチ管理」はすでに限界を迎えている
この変化が最も深刻な影響を与えるのが、防御側のセキュリティ運用だ。
従来、企業は「脆弱性が見つかったらパッチを適用する」という運用を前提にしてきた。しかし、パッチ適用によって防御可能だった時間的猶予はもうない。
サイバーセキュリティの主要な国際会議の1つであるRSA Conferenceでも、今年は「マシンスピードの戦い」が最大テーマとなった。攻撃者が初期侵入後、専門攻撃者へアクセス権を引き渡すまで最短22秒という報告も出ている。
