その象徴が、イラン戦争である。
イラン戦争では、イスラエルおよびアメリカによる物理攻撃が開始されたのとほぼ同時刻、イラン国内では大規模なサイバー妨害が発生した。ニュースサイト改ざん、通信障害、携帯電話の異常動作などだ。
アメリカ軍はイランの地対空防衛システムをサイバー攻撃で妨害し、その結果、わずか30分で3つの核施設への同時攻撃を成立させたと報じられている。もはやサイバー攻撃は、物理攻撃と同等の戦力として扱われ始めている。
これらの作戦の中核に存在したとされるのが、パランティア社のシステムであり、そのAI基盤としてアンソロピックのクロードが利用されたとされている。このシステムは、衛星や通信傍受などから得られる150以上の情報源をリアルタイム統合し、標的選定やシミュレーションを高速実行する。
従来は2000人で12時間要した標的分析を、20人程度で約1分に短縮したと言われ、AIは戦場の意思決定速度を激変させている。
AIはまだ「未成熟」である
しかし、このAIには現時点では、極めて重大な問題がある。AIは高速だが、必ずしも正しいわけではない。
その例が、イラン南部ミナブ女子小学校への誤爆疑惑だ。
一部報道では、古い地図データを用いた分析結果への依存が、小学校を軍事施設と誤認し、誤爆につながった可能性が指摘されている。結果として175人以上が死亡し、女子児童の多くが犠牲になったとされる。
