映画主演さえ「仕事」にしない。大悟の力みのなさ
最後に、もう一度「仕事」の話に戻った。
今回の映画出演は、大悟にとって“仕事”だったのか。
「これも、そんなに仕事という感じではなかったですね。だって、映画の主演なんて、なかなかできることじゃないですし、普段見ることのない現場にも行けるわけですから」
最後まで、大悟は自らを低く見積もり、はぐらかす。
「こんな感じで言うと軽く聞こえるかもしれないですけど、“ラッキー”みたいな感覚ですかね。“これがうまくいったら、ほかの役者の仕事も入ってくるかもしれない”みたいなことは考えていなかったんです」
「僕が役者だったら、そこを考えてしまうと思うんです。でも僕はそうではないので、そこまで気張ることもなくできたのかなと」
そして、最後にこう笑った。
「そう考えたら、ずっとちゃんと仕事していないのかもしれないですね。結論(笑)」
仕事にしすぎない。構えすぎない。
それでも、その場の空気だけは逃さない。
是枝裕和が大悟に見た“人間味”は、きっとその力みのなさの中にあった。
