東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #日本の政治

"骨抜き"物価高対策に「中傷動画」疑惑が追い打ち、長かった"ハネムーン"も終焉? ついにはじけ始めた「高市バブル」の泡音

5分で読める
高市首相
2026補正予算案などについて、記者団の取材に応じる高市早苗首相(写真:時事)
2/3 PAGES
3/3 PAGES

長期金利の指標となる新規10年物国債利回りは5月18日に2.8%まで上昇。1996年10月以来の高水準と話題になったが、96年度末の普通国債残高241兆円に対して、2025年度末の普通国債残高は1129兆円にも上る。利払い負担は著しく膨れ上がり、「責任ある積極財政」を標榜する高市首相を攻めたてる。

消費税減税については、6月下旬の高市首相の判断を目指し、政府内では2年間の食料品消費税1%案が浮上している。だが、OECD(経済協力開発機構)は13日に公表した「対日経済審査報告書」で、消費税を段階的に引き上げ、最大18%までにすべきとする試算を公表した。

政権に忍び寄る「盛者必衰の理」

さらに悩ましいのは、昨年10月の総裁選と今年2月の衆院選で流された「中傷動画」疑惑だろう。

高市首相の地元事務所所長が関与したとされる同疑惑では、公職選挙法の適用のない総裁選はともかく、衆院選での不正行為が認められると連座制が適用される。高市首相自身が無関係としても、当選は無効となり、奈良2区での出馬は5年間不可能となる。

これが民主主義を揺るがす一大事であることは間違いなく、高市事務所の関与が事実でないなら、高市首相には疑惑を払拭する責任がある。

21年の総裁選で高市首相はXできっぱりと「中傷による支持はいらない」と断言し、クリーンなイメージを印象づけた。にもかかわらず、今回は国会で「公務を最優先にすべき立場であることから、訴訟にかかる負担を考えつつ判断する」と述べるにとどまり、なぜか曖昧な態度のままだ。

高市首相が2021年に投稿したXのポスト(画像:高市首相のXより)

こうしたことが、情報伝達の速いネットでは素早く反映しているのかもしれない。選挙ドットコムとJX通信社は電話とネットで世論調査を行っているが、5月の高市政権の支持率は、前者では57.4%と前月から1.5ポイント上昇したのに対し、後者では5.7ポイント減少して39.9%と、4割を割り込んだ。不支持率についても、前者が0.5ポイント減の26.4%に対し、後者は5.9ポイント増の34.0%と、ネット調査では支持率の数字に迫りつつある。

緩やかに“高市バブル”が弾けていく。「盛者必衰の理(ことわり)」に例外はない。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象