ちなみに、保護されて最初に過ごす「一時保護施設」は、誰もが快適に過ごせる場所ではない。これまで裕福な家庭で暮らしていたのなら、なおさらそう感じるだろう。実際、児相の一時保護施設でアルバイトをしていた筆者の同期によると、施設によって環境差はあるもののかなり厳しい環境だったという。
そもそも、児童相談所の一時保護施設とはどんな場所なのだろうか。
児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置される行政機関だ。原則「18歳未満」の子どもに関する相談・通告を受け付けている。
なお、2024年4月施行の改正児童福祉法では、児童自立生活援助事業など社会的養護経験者等への自立支援について、年齢による一律の利用制限が弾力化された。ただし、児童相談所による一時保護や強制的な介入の対象は、児童福祉法上の「児童」、すなわち原則18歳未満を中心に運用されている。そのため、18歳に達した若者への対応は、相談支援や関係機関へのつなぎが中心となりやすい。
そんな児童相談所の一時保護は、子どもの心身の安全を守るため緊急的に保護する制度である。虐待や親が養育能力を著しく欠いているなどの理由で、子どもを一時的に保護する場所が一時保護施設だ。
保護期間は原則として最大2カ月とされているが、保護した後に親元に戻せないと判断された場合そのまま児童養護施設で暮らす流れとなる。しかし、児童養護施設の受け入れ可能な児童数が上限に達しており、何カ月も一時保護施設で過ごす子どもは少なくない。筆者が関わった中には、半年以上一時保護施設で過ごしたという子どももいた。
そんな一時保護中には、子どもは以下のような制限を受ける可能性がある。
・衣類・下着を持ち込めない
・スマホやPCを使えない
・子ども同士の会話で個人情報を漏らしてはいけない
ルールの内容は施設によって異なるし、ガイドラインではこうした制限は最小限にすることが求められている。
ただ、現場としては、誰もがさまざまなルールを守らなければ他人同士の子どもを安全に保護できないのだろう。話を聞いて衝撃だったのだが、筆者の同期が働いていた施設では、子どもの脱走防止のため、夜間にトイレに行くのにも都度申告が必要だったという。
実際、筆者が関わった児童で、年齢が高ければ高いほど「一時保護は辛かった」と話していた。とにかく自由がなく、制限が多すぎたことから「一時保護施設には絶対戻りたくない」と苦々しい表情で話していたのを覚えている。
児童養護施設は18歳(高校卒業)で”原則”退所
仮に18歳未満の子どもが保護され、一時保護施設から児童養護施設へ移るとどうなるのか。非常に厳しいことに、基本的に高校卒業と同時に退所となる。児童養護施設側も児相から新しい児童の受け入れ要請が次々くるため、新しい児童を受け入れるために今いる子を出さなければならないのだ。
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【短期間で向き合わなければいけない現実】
