それから2年後、父親が脳梗塞で倒れました。「冷たいと思われるかもしれませんが、三世代同居を断ったことは正解だったと思いました。もし同居していたら、両親に子育てを手伝ってもらうどころか、こっちが父の介護をしなければいけないところでした」と太郎さん。
実は、太郎さんの妻の仕事は看護師です。高齢者宅を訪問する訪問看護の仕事をしています。妻は、「傍にいなくても、子ができることはある」と断言します。
「身のまわりの世話はサービスにお願いすることもできます。子の役割は“キーパーソン”だと、妻は言いました。確かに、父の入院した病院でも、自宅に戻ってからお願いしたケアマネジャーからも、『キーパーソンは、太郎さんですね』と確認されました」(太郎さん、以下同)
現在も、両親は実家で2人暮らし。父親は週に3回デイサービスに通っています。「今は、両親の生活は落ち着いています。私は、隔月で帰省し、父の通院に付き添ったり、ケアマネジャーに会ったり。ケアマネジャーから、両親のことで電話がかかってくることもあります。
今後、父の介護がもっと大変になったら、母の共倒れを防ぐために施設に、と考えています」と太郎さんは落ち着いた表情で話します。
「家族側の窓口」「決断代行」を1本化
さて、介護の「キーパーソン」について、もう少し詳しく説明しましょう。
医療や介護が必要になると、サービスを利用するたびに契約行為が発生します。介護保険のサービス、民間サービス共に、です。病院では、治療方法などについて決断を迫られることもあります。
本来、これらは本人が担うことですが、難しい状況であれば家族が代行します。代行する人が「キーパーソン」です。つまり、本人や家族間の意見調整をし、医療や介護の専門職との窓口となったり、代わって決断したりする人のことを指します。
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【誰がキーパーソンとなるか】
