2022年W杯招致では、インフラの充実度やサッカービジネスの潜在能力が評価されて当選濃厚と見られていた。
ところが、2010年12月の最終投票でカタールに8対14で惜敗。カタールの「ロビー活動」に足をすくわれたのだ。アメリカという国に対する「反米感情」も、ぎりぎりの勝負では勝敗を分ける要因になった。
もう失敗はできない。
アメリカは「再び単独開催を目指すと反米感情を刺激する」と読んで、融和のイメージを打ち出したカナダ・メキシコとの共催案を本格的に検討。そして2016年、北中米カリブ海サッカー連盟のヴィクター・モンタリアーニ会長を通して、3カ国共催の可能性を公表したのだった。
誤算は「トランプ大統領」の誕生
新たに共催を目指すうえで、アメリカサッカー連盟にとって誤算だったのは、2016年11月にドナルド・トランプが大統領選に勝利したことだ。メキシコ国境の壁建設や不法移民の国外退去の政策は、共催ムードに冷水をかけた。
また、トランプが良かれと思って起こすアクションも、ことごとく裏目に出てしまう。トランプは2018年4月にツイッター(現X)で次のように投稿した。
「我々が常に支える諸国が、我々の招致に反対するなら残念だ」
「我々に賛同しないのなら、なぜ我々がその諸国を支援しなければならないのか?」
一見すると招致活動の援護射撃のように見えるが、実際の効果は完全に逆だった。
FIFAは各国政府がW杯誘致に政治的影響を与えることを禁止しており、トランプの投稿はこのルールに抵触する可能性があった。のちにドイツサッカー連盟のリヒャルト・グリンデル会長は、「トランプのツイートは招致活動の助けにならなかった。逆にイメージを傷つけた」と、ESPN(アメリカのスポーツ専門チャンネル)に語っている。
