東洋経済オンラインとは
ライフ

トランプの"援護ツイート"が物議を醸すも…アメリカが「3カ国共催」という戦略を選んだ2026年W杯招致の「裏事情」

7分で読める
カタールの都市とワールドカップのトロフィー
過去のW杯招致をめぐるスキャンダルを受けて、開催地投票のルールが変更された(写真:Fitria Ramli/PIXTA)
2/5 PAGES

2010年南アフリカW杯の招致では、ワーナー元副会長ら3人が南アフリカ側から約12億円の賄賂を受け取った(アメリカ司法当局が2015年に起訴して明らかになった)。

そして最大のスキャンダルが発生したのが、2018年ロシアW杯と2022年カタールW杯の招致である。

2015年、アメリカ政府の調査によってマーケティング会社からFIFA理事らへの賄賂が明らかになり、14人がアメリカで起訴される歴史的な汚職事件に発展した。この疑惑によってFIFA会長だったスイス人のゼップ・ブラッターは辞任に追い込まれた。

最終的にFIFAはロシアW杯とカタールW杯の招致活動に関して「不正につながる証拠は認められなかった」と結論づけたものの、調査を担当した元アメリカ連邦検事のマイケル・ガルシアは「報告内容を捻じ曲げられた」と抗議。国際的には「限りなく黒に近いグレー」と見られている。

この一連の汚職騒動を受け、FIFAは開催地選定の方式を大きく見直した。

従来はFIFA理事24名の投票によって開催地を決めていたが、2026年W杯の選考からすべての加盟協会が投票権を持つ「1国1票」制度に変更したのだ。

人口3万人のサンマリノも、15の島々で構成されるクック諸島も、幸せの国ブータンも等しく投票権を持つ。サッカーの強さや人口は一切関係ない。

さらに透明性を高めるため、各協会がどの国へ投票したかも公表されることになった。つまり、2026年W杯は初めて“民主的”な選考によって選ばれた歴史的な大会なのである。

“反米感情”が勝敗を分けた

2026年W杯招致に立候補したのは、3カ国共同招致のアメリカ・カナダ・メキシコ、そして単独招致のモロッコだ。

「開催地となった大陸はその後2大会の立候補はできない」というルールがあるため、ヨーロッパとアジアは立候補できず、南米とオセアニアが手を挙げなかったため、北中米大陸とアフリカ大陸の一騎打ちとなった。

時計の針を少し巻き戻すと、もともとアメリカは“単独開催”を計画していた。

3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象