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海外駐在妻「自己嫌悪で涙、夫婦関係は崩壊…」仕事はせず、お手伝いさんもいるけど《心は限界》の必然

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取材に答える前川さん
駐在妻として、長男を妊娠中に1歳半の長女とともにタイに渡った前川さん(写真:筆者撮影)
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現代はSNSを通して、友人知人の様子を知ることができてしまうのも影響が大きいという。

「SNSで仕事で活躍する友人の姿を見て、『私は毎日子どもと閉じこもって何をしているんだろう』と思いました。学会の案内が来たときも同期の名前が連なっていて、みんなどんどん実績を積んでるな、と焦る気持ちがありましたね」

前川さんはタイに来てからボランティア団体を見つけるまでは臨床の現場から長く遠ざかっており、「感覚が鈍ってしまう」という不安を抱えていた。だからこそ、タイにいる間にボランティアでもカウンセリングができたことは、大きな意味のあることだった。

前川さんは、他の駐在妻にも習い事をしたり、好きなことをする時間をつくったりすることを勧めている。

タイでのボランティア活動の様子(写真:前川さん提供)

夫婦関係が悪くなる

次に、駐在が原因で悪化するケースが多いという夫婦関係について。駐在生活では、夫は仕事で多忙、妻は慣れない異国の生活で孤独感を抱えやすく、すれ違いから最悪は離婚に発展してしまう場合もある。前川さん自身も「関係がものすごく悪くなった時期があった」という。

「私は、働けて自由な時間がある彼が羨ましい。彼は彼で、『仕事をしてなくてお手伝いさんもいるし、昼間は時間あるでしょ』と、お互いのことがまったく理解できていませんでした。私は『でも、こっちは四六時中子どもがついてきて、落ち着いてトイレにも行けない!』という感じで、根本的にわかってもらえない感覚がありました」

さらに、喧嘩に発展する「地雷ワード」があった。

「ボランティアを始めてから、私は家でセミナーの準備をしたりして、熱意を持って活動していました。彼に『明日は仕事で』と言うと、『でも、それってボランティアでしょ』と言われて、毎回喧嘩になっていました」

「地雷ワードを言われるたびに爆発していました」と語る前川さん(写真:筆者撮影)

前川さんは、ここに駐在家族が陥りがちな問題があると語る。日本では共働きで、ある程度の共通言語があり、仕事の大変さなどを共有できる。しかし、駐在生活になると、夫は仕事、妻は家事育児の「完全分業」になってしまい、同じ家にいるのに住む世界が異なってしまう。

そこで、前川さんが意識したのは、夫婦の対話時間を確保することだった。夕方5時頃に子どもたちの夕食を済ませ、寝かしつけた後に、夫婦の食事を用意し、夜9時半頃に帰ってくる夫を待って一緒に夕食を取る。コミュニケーションの時間を確保し、その日の出来事や子どもたちの様子を共有した。

「海外では自分をよく知っている人がパートナーだけになるんです。日本だったら、友人や親など他にも話せる人はいるけど、海外では難しい。あの時間を取っていたからこそ、家族がバラバラにならずに済んだと思います」

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【夫も海外赴任で大変だった】

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