Googleが、ヘラルボニーにパートナーとしての信頼を寄せたのも、この姿勢そのものだったようだ。アートをロイヤリティビジネスとして成立させ、作家へ正当な対価を還元する。社会的承認の中で個の尊厳を守る――その積み重ねが、ヘラルボニーを「異彩」を語るに足る存在にしてきた。
シンプルさの中に異彩と思いを凝縮
「特別な色を、あなたに」――Isai Blueのパッケージを開けると、まずはこの言葉が飛び込んでくる。
過去10年間、Google Pixelは「つながり」や「楽しみ」を大切にしてきた。10周年という節目に、多様な個性と「ちがい」の可能性を問い続けてきたヘラルボニーと共に作ったIsai Blueは、ただ闇雲にプロセッサの処理能力やカメラ性能、便利なAI機能を追求してきた、これまでのスマートフォンの進化のあり方に一石を投じる製品だ。
背面もフラットで極めてシンプルなスマートフォンでありながら、そのシンプルさの中に多様な作家による多様なこだわりや表現、Googleとヘラルボニーが2024年末、京都の町屋をまるまる1棟貸し切ってPixelの世界観を表した展覧会「Google Pixel: Home of Design」以降1年以上かけて積み重ねてきた対話、テクノロジー企業Googleのもっと人々に寄り添いたいという思いや、「異彩を、放て。」を合言葉に、これまで異質なもの、特別なものとして社会に受け入れられてこなかった才能を社会の当たり前として広めようとするヘラルボニーのさまざまな思いが凝縮されている様子は、極めて日本的であり日本からしか誕生し得なかった端末としてどこか誇らしく思える。
Google Pixel 10a 日本限定モデルIsai Blueは、Googleストア価格9万4900円(税込)。5月15日からは下北沢reload ENTRANCE HALLにて、特別展示「Google Pixel|HERALBONY Isai Blue展」も期間限定で開催され、折り紙のモチーフやガチャガチャなど日本らしさを前面に押し出した展示で通りがかった海外の人たちの目も引いていた。
願わくば、この端末の素晴らしさがGoogleとヘラルボニーの国際的な力を活かして日本だけに留まらず海外でも放たれればもっと嬉しいのだが。
