東洋経済オンラインとは
ビジネス

Google Pixel 10周年モデル「Isai Blue」、グーグルが"性能以外"で勝負した日本限定スマホの狙い

19分で読める
トークイベントの様子
5月11日、盛岡のヘラルボニーが運営する施設「ISAI PARK」でGoogle Pixel 10a日本限定 ヘラルボニーコラボモデル「Isai Blue」の発売を記念してトークイベントが行われた。Google Pixel 製品企画アジア太平洋事業統括 リージョナル ディレクターの阿部和子(右)はGoogle社のミッションステイトメントを引用して改めて同社が「世界中の人々」をターゲットにした会社であることを強調した。左は株式会社ヘラルボニー 執行役員 兼 アカウント事業本部統括の國分さとみ(写真:グーグル/ヘラルボニー)
  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
2/8 PAGES
3/8 PAGES
4/8 PAGES
5/8 PAGES
6/8 PAGES
7/8 PAGES
8/8 PAGES

Googleが、ヘラルボニーにパートナーとしての信頼を寄せたのも、この姿勢そのものだったようだ。アートをロイヤリティビジネスとして成立させ、作家へ正当な対価を還元する。社会的承認の中で個の尊厳を守る――その積み重ねが、ヘラルボニーを「異彩」を語るに足る存在にしてきた。

るんびにい美術館のアートディレクターでヘラルボニーの誕生にも大きな影響を与えた板垣崇志氏。同館に着いた「命のミュージアム」という冠には「命に差をつけてしまう私たちの暗黙の価値観を、作品を通じて解きほぐす場所」と解説する(グーグル/ヘラルボニー)

シンプルさの中に異彩と思いを凝縮

「特別な色を、あなたに」――Isai Blueのパッケージを開けると、まずはこの言葉が飛び込んでくる。

過去10年間、Google Pixelは「つながり」や「楽しみ」を大切にしてきた。10周年という節目に、多様な個性と「ちがい」の可能性を問い続けてきたヘラルボニーと共に作ったIsai Blueは、ただ闇雲にプロセッサの処理能力やカメラ性能、便利なAI機能を追求してきた、これまでのスマートフォンの進化のあり方に一石を投じる製品だ。

背面もフラットで極めてシンプルなスマートフォンでありながら、そのシンプルさの中に多様な作家による多様なこだわりや表現、Googleとヘラルボニーが2024年末、京都の町屋をまるまる1棟貸し切ってPixelの世界観を表した展覧会「Google Pixel: Home of Design」以降1年以上かけて積み重ねてきた対話、テクノロジー企業Googleのもっと人々に寄り添いたいという思いや、「異彩を、放て。」を合言葉に、これまで異質なもの、特別なものとして社会に受け入れられてこなかった才能を社会の当たり前として広めようとするヘラルボニーのさまざまな思いが凝縮されている様子は、極めて日本的であり日本からしか誕生し得なかった端末としてどこか誇らしく思える。

Google Pixel 10a 日本限定モデルIsai Blueは、Googleストア価格9万4900円(税込)。5月15日からは下北沢reload ENTRANCE HALLにて、特別展示「Google Pixel|HERALBONY Isai Blue展」も期間限定で開催され、折り紙のモチーフやガチャガチャなど日本らしさを前面に押し出した展示で通りがかった海外の人たちの目も引いていた。

願わくば、この端末の素晴らしさがGoogleとヘラルボニーの国際的な力を活かして日本だけに留まらず海外でも放たれればもっと嬉しいのだが。

世界的企業Googleとコラボして誕生した「Isai Blue」の誕生を祝って、ヘラルボニーは下北沢reloadにて5月21日まで展示イベントを行った。Isai Blueの魅力をモチーフの1つともなっている折り紙で表現。オリジナルステッカーを制作した藤田望人氏のアイテムがゲットできるガチャガチャも用意した(写真:グーグル/ヘラルボニー)
ついに発売された日本的魅力も詰まった「Isai Blue」、日本限定モデルにせず、世界に広まってほしい(写真:グーグル/ヘラルボニー)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象