「バッテリー24時間」で批判されたバルミューダ「The Clock」、便利さでは測れない"時間の質"という価値
「便利」は「豊か」か?
毎年、数えきれないほどの便利な新製品が発売されている。気付けば我々の身の回りは便利なものだらけだ。それなのに、一向に豊かになっている実感もなければ、幸福を噛み締めてもいない人が多い気がするのは、なぜか。
身の回りのあらゆる道具がデジタル化され、インターネットに接続されている昨今、その多くが常に我々の注意を奪おうと、さまざまな“通知”を出し続ける。そんな中、「テクノロジーは本来、人々により多くの時間を与えるべきであって、奪うべきではない」と語るデザイン・テクノロジー業界の第一人者、アンバー・ケースが提唱する“カーム・テクノロジー”(直訳すると“穏やかなテクノロジー”)というムーブメントが静かに注目を集めている。
今年3月、私自身が企画者となり、ケース氏を招いての講演会を株式会社アクシスらの協力の元実施した。多くのテクノロジー製品は、作業に費やす時間などの量的な時間を念頭に設計されている。それに対しカーム・テクノロジーは、夕陽を見てうっとりしている時間など、質の高い時間・経験のために作られた道具だと、ギリシヤ語源のクロノス時間、カイロス時間という言葉を用いケース氏より語られたのが印象に残った。
この講演会の翌週、私はバルミューダの創業者、寺尾玄氏に招かれて青山のショールームを訪れ、奇妙な共時性(偶然のようなできごとの重なり)を体験することになる。





















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