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Google Pixel 10周年モデル「Isai Blue」、グーグルが"性能以外"で勝負した日本限定スマホの狙い

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トークイベントの様子
5月11日、盛岡のヘラルボニーが運営する施設「ISAI PARK」でGoogle Pixel 10a日本限定 ヘラルボニーコラボモデル「Isai Blue」の発売を記念してトークイベントが行われた。Google Pixel 製品企画アジア太平洋事業統括 リージョナル ディレクターの阿部和子(右)はGoogle社のミッションステイトメントを引用して改めて同社が「世界中の人々」をターゲットにした会社であることを強調した。左は株式会社ヘラルボニー 執行役員 兼 アカウント事業本部統括の國分さとみ(写真:グーグル/ヘラルボニー)
  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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百貨店から盛岡を代表する名建築の1つで辰野金吾が東京駅を作る3年前に同じ手法で作った「岩手銀行赤レンガ館(旧盛岡銀行本店)」の向かいにも、冬でも凍らず地震で揺れても大丈夫な、市民が自由に利用できる耐震不凍給水栓「365すいどう」があるが、これも小林覚がデザインを手がけた(今後、場所を増やしていく予定だ)。

その近くには8人のヘラルボニーアーティストが室内の作品やベッドカバー、カーテン、椅子などのインテリアなどにも作品を提供した「HOTEL MAZARIUM」が約4年前に開業。さらにはヘラルボニーバスまで運行している。

最近、東京でも東急東横線や田園都市線などヘラルボニーアーティストとコラボをした異才を放つ公共施設を目にするようになったが、ヘラルボニーの本拠地、盛岡は保守的になりがちな東北の地方都市の中で、明らかに異彩を放っていることに驚かされる。

ただ、盛岡、正確には岩手県には元々、こうした異彩を受け入れる土壌はあったようだ。ヘラルボニーの成り立ちにも大きく関わっている。Isai Blueに採用されたアーティスト、工藤みどりさんも所属している花巻市のるんびにい美術館だ。

大谷翔平も通った花巻東高校の目の前にあるるんびにい美術館。60年も前から障害がある作家たちの作品を展示し続けてきた美術館で、ヘラルボニー誕生のきっかけを作った美術館でもある(写真:筆者撮影)
アートを通してボーダレスな(境界のない)光景を社会に作り出するんびにい美術館。訪問時はちょうど同館所属作家の展覧会が行われていた(写真:グーグル/ヘラルボニー)
るんびにい美術館の最上階では常に所属の作家たちが作品を作り続けている。運が良ければヘラルボニーを通して世界に作品を提供しているアーティストたちとも直接会えるかもしれない(写真:グーグル/ヘラルボニー)

「ヘラルボニー」が岩手から誕生した理由

戦後しばらくの間、知的障害のある子どもは「義務教育免除」という名で就学から排除され、岩手のような農村地域では家や田畑のそばで一日を過ごすしかない子も少なくなかった。成人後の行き場もなく、1960年代以降は山間部に大規模な入所施設(コロニー)を建てて生涯そこで暮らしてもらう「終身保護」が国の方針になった。

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【「クリエイティブ」と「福祉」の世界を結びつける試み】

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