「外食に貢献したい。トレンドを作りたい。その両方が詰まっていた」
トップダウンではなく、社員発のアイデアを会社全体で育てる。その姿勢自体が、「ラーカレ」という企画に表れている。
「ラーカレ」が単なる思いつきで終わらなかった理由のひとつに、「現場対応力」がある。ハウスギャバンは、ラーメンスープと合わせるだけでカレーが作れる濃縮カレーソースを開発した。これは、人手不足への対応策でもある。
「カレー粉だけ渡して『作ってください』では現場は回りません」
ラーメン店の厨房は忙しい。手間が増えれば導入は難しい。だからこそ、メーカーの開発力を活かし、簡単に高品質な「ラーカレ」を作れる仕組みを整えた。
「独りよがりの合理化じゃなく、外食産業のお困りごとに対応するのがメーカーの役割」
この言葉には、生駒社長の強い信念がにじむ。
大手が出てきても、個人店が潰れないラーメン業界
ラーカレの目標は大きい。
「1年で1000店舗、10年で1万店舗」
外食全体では約70万店舗。その中でラーメン業界は、個人店が強く生き残っている珍しい世界だ。
「大手が出てきても、個人店が潰れない。店主の個性で味が変わるからです」
だからこそ、「ラーカレ」が広がれば、その先にはさらに大きな可能性がある。もちろん、簡単にはいかない。だが生駒社長は、焦っていない。
「独りよがりになってはいけない。地道に広げていくことが大事」
やがて「あそこのラーカレがすごい」という口コミが生まれ、文化として根付いていく――。そんな未来を思い描いている。
「ラーカレ」は、単なる販促施策ではない。ラーメン店の客単価向上、人手不足対応、デリバリー強化、食品ロス削減、外食機会の創出――。そこには現代外食産業が抱える課題への、多層的なアプローチが詰まっている。
そして何より、生駒社長が目指しているのは「文化」の醸成だ。
「ラーメン屋さんのカレーってうまいよね」
いつの日か、蕎麦屋のカレーのように、そんな言葉が当たり前になるかもしれない。
その時、「ラーカレ」は単なる企画ではなく、日本の外食文化の新たな1ページになっているはずだ。

