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ライフ #井手隊長のラーメン見聞録

「なぜ蕎麦屋のカレーはあるのに、ラーメン屋のカレーはない?」 1000円の壁に苦しむ業界で香辛料メーカーが打った"秘策"

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「三田製麺所」から発売されたラーカレ「三田のラーカレ」(写真:筆者撮影)
  • 井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン
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「外食に貢献したい。トレンドを作りたい。その両方が詰まっていた」

トップダウンではなく、社員発のアイデアを会社全体で育てる。その姿勢自体が、「ラーカレ」という企画に表れている。

「ラーカレ」が単なる思いつきで終わらなかった理由のひとつに、「現場対応力」がある。ハウスギャバンは、ラーメンスープと合わせるだけでカレーが作れる濃縮カレーソースを開発した。これは、人手不足への対応策でもある。

「カレー粉だけ渡して『作ってください』では現場は回りません」

ラーメン店の厨房は忙しい。手間が増えれば導入は難しい。だからこそ、メーカーの開発力を活かし、簡単に高品質な「ラーカレ」を作れる仕組みを整えた。

「独りよがりの合理化じゃなく、外食産業のお困りごとに対応するのがメーカーの役割」

この言葉には、生駒社長の強い信念がにじむ。

大手が出てきても、個人店が潰れないラーメン業界

「飯田商店」のラーカレ「飯田のカレー」(写真:筆者撮影)

ラーカレの目標は大きい。

「1年で1000店舗、10年で1万店舗」

外食全体では約70万店舗。その中でラーメン業界は、個人店が強く生き残っている珍しい世界だ。

「大手が出てきても、個人店が潰れない。店主の個性で味が変わるからです」

だからこそ、「ラーカレ」が広がれば、その先にはさらに大きな可能性がある。もちろん、簡単にはいかない。だが生駒社長は、焦っていない。

「独りよがりになってはいけない。地道に広げていくことが大事」

「中国ラーメン 揚州商人」のラーカレ「揚州スーラー夏野菜カレー」(写真:筆者撮影)

やがて「あそこのラーカレがすごい」という口コミが生まれ、文化として根付いていく――。そんな未来を思い描いている。

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「ラーカレ」は、単なる販促施策ではない。ラーメン店の客単価向上、人手不足対応、デリバリー強化、食品ロス削減、外食機会の創出――。そこには現代外食産業が抱える課題への、多層的なアプローチが詰まっている。

そして何より、生駒社長が目指しているのは「文化」の醸成だ。

「ラーメン屋さんのカレーってうまいよね」

いつの日か、蕎麦屋のカレーのように、そんな言葉が当たり前になるかもしれない。

その時、「ラーカレ」は単なる企画ではなく、日本の外食文化の新たな1ページになっているはずだ。

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