ラーメン職人は保守的――。そんなイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、生駒社長は実際にラーメン店主たちと接する中で、その印象が大きく変わったという。
「職人さんって、もっと変化に慎重だと思っていました。でも実際は、美味しいものへの貪欲さがすごい」
4月28日に記者会見で披露された6種類の「ラーカレ」は、どれも味が全く違っていた。鶏系、豚骨魚介系、淡麗系、中華系――。各店が自らのスープを活かし、それぞれ異なる個性を持ったカレーを作り上げていた。
「食べればわかる、本当に多様なラーカレができている」
ラーメン店の個性がきちんと反映されるからこそ、文化として広がる可能性があるのだ。生駒社長は試食で各店の「ラーカレ」を実際に食べ、確信したという。
まだ誰も本格的に挑戦してこなかっただけ
興味深いのは、「ラーメン×カレー」という組み合わせ自体は決して新しくないにもかかわらず、業界全体で取り組む動きがなかったことだ。そこには、「匂い問題」という大きな壁があった。
「せっかくのスープの香りがカレーに負けてしまう」
これは昔からラーメン業界で語られてきた懸念だったという。だが、生駒社長はこう考える。
「蕎麦屋にだってカレーがありますよね。出汁を大事にしているのに、カレー文化が成立している」
確かに、蕎麦屋のカレーは一大ジャンルとして定着している。ならば、「ラーメン屋のカレー」が成立しても不思議ではない。まだ誰も本格的に挑戦してこなかっただけなのだ。
「ラーカレ」誕生の背景には、生駒社長の経営哲学もあった。影響を受けたのは、ホテルチェーンのアパグループだという。
かつて新聞で「考えるアパグループ」という記事を読み、強く感銘を受けた。創業者依存から脱却するため、従業員からアイデアを募り、変わり続ける会社を目指したという内容だった。
「ハウスギャバンも“考えるハウスギャバン”でありたいと思ったんです」
「ラーカレ」の発案者は、社員の田中隆暁さん。もともとラーメン業界に深く関わってきた人物だ。その提案を聞いた瞬間、生駒社長は「これはハウスギャバンがやるべきことだ」と直感したという。
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【「ひとりよがりの合理化じゃなく、外食産業のお困りごとに対応するのがメーカーの役割」】
