中国の市場調査会社である洛図科技のデータによれば、25年の中国テレビ市場におけるブランド別完成品出荷台数は3289万5000台。このうち、中国系8大ブランドである海信(ハイセンス)、TCL、小米(シャオミ)、創維(スカイワース)、長虹(チャンホン)、海爾(ハイアール)、康佳(コンカ)、華為(ファーウェイ)の合計出荷台数は3096万3000台で、市場シェアは94.1%に達した。これに対し、外資系のサムスン、ソニー、フィリップス、シャープを合わせたかつての「4大ブランド」の年間出荷総数は100万台を割り込み、シェアも3%に届かない状況になっている。
また中国の消費低迷も家電事業に重くのしかかっていた。過去2年間は新モデルへの買い替え奨励補助金が販売を下支えしてきたが、その効果も一巡してきた。国家統計局のデータによると、3月の家電および映像機器類の小売販売額は前年同月比5%減となり、1~3月期ではゼロ成長となった。
中国AI企業との協力強化も
この結果、サムスンの家電事業は一時期、会社全体の収益の足を引っ張る不採算部門へと転落。25年の映像ディスプレイ・生活家電事業(VD/DA)の営業損失は2000億ウォン(約210億円)に達した。同年の中国法人の純利益も前年比44%減少し、わずか1681億ウォン(約180億円)にとどまった。
26年1~3月期には、サムスンのVD/DA事業は黒字へ転換し、営業利益2000万ウォンを計上したものの、グループ全体利益に占める割合はわずか0.3%に過ぎなかった。一方、半導体事業は1~3月期にグループ利益の94%を稼ぎ出しており、絶対的な収益の柱となっている。
中国家電市場からの撤退はサムスンの「選択と集中」を加速する措置だ。韓国の聯合ニュースによると、サムスンは今後も中国においてモバイル端末、半導体、医療機器事業を継続するとしている。モバイル端末分野では、Galaxy AI(人工知能)機能を搭載した製品の拡販を進めるほか、中国のAI企業との協力強化にも取り組む。また、中国事業の重点を先端分野における研究開発、生産協力、投資へと移し、江蘇省蘇州の家電工場および蘇州、陝西省西安の半導体工場については引き続き運営を継続するとしている。
(財新記者:馮奕銘)
※中国語原文の配信は5月7日
