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近所に樹木が平均より10本多いだけで、7歳の「若返り」に匹敵する効果? 大規模調査が明かす自然と寿命の意外な関係

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森林浴中の男性
自然と寿命の意外な関係を解説します(写真:Luce/PIXTA)

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「どこに住むか」という選択が、あなたの健康状態を劇的に左右するとしたらどうでしょうか。トロント市の50万本を超える街路樹データと住民の健康記録を照らし合わせた大規模な調査により、驚くべき関係が浮かび上がりました。最新の「環境神経科学」を切り拓いたマーク・バーマン教授は、「街路樹の数が増えることは、年収の増加や若返りと同じほどの健康増進効果をもたらす」と言います。バーマン教授の最新作『ネイチャー・エフェクト』より一部抜粋・編集し、大規模調査によって裏付けられた、自然と寿命の意外な関係を解説します。

トロント市の樹木50万本が教える健康の法則

『ネイチャー・エフェクト』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

ポスドク時代には、人口神経科学の専門家トーマス・パウスと協力して研究を進めていた。当時、パウスは大規模な人口集団の健康状態の調査をしていた。そして、彼は「オンタリオ健康調査」というデータセットにアクセスすることができた。これには、トロント都市圏(GTA)の数千もの被験者の健康と居住地に関する情報が含まれていた。

これらのデータを利用して、私たちはトロントのさまざまな地域において、グリーンスペース(公園、木立、緑地帯など)にどれくらい近接しているかが、健康に及ぼす影響を調べることができた。私たちは次の疑問について調べることにした。住居がある異なる地域ごとに、グリーンスペースにどのくらい近接しているかを定量化することは可能だろうか?

すると、可能であることがわかった。まず、衛星画像を利用する方法を試してみたところ、約30メートルの解像度で木立のある場所がわかった。次に、トロント大学森林学部の見事なデータセットを利用させてもらえることがわかった。そこにはなんと、トロント市内の公有地の樹木の情報が1本残らず記されていたのだ! その数、50万本以上。このデータをすべて地図に落とし込むと、トロントのすべての街路樹を確認することができた。

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【驚くべき結果が出た】

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