そのほか、正式な地名ではない休憩施設名として、名神の「湖東三山(ことうさんざん)PA」がある。一見、山の名前に見えるが、「湖東三山」という名前の山は地図を探しても見つからない。
湖東三山は、「金剛輪寺、百済寺、西明寺」という天台宗の3つの寺を指す。文字通り、琵琶湖の東の近江盆地にあり、紅葉の名所として関西ではよく知られ、この紅葉鑑賞を目的とした東京からのバスツアーまである。この3つの寺院に近いことから名づけられた名前である。
そういえば、中央道の上り線で東京に最も近いSAは山梨県上野原市の「談合坂(だんごうざか)SA」である。これは都市名や自然景観ではなく、単なる坂道の名前だ。
しかも「談合」していた坂とは、穏やかではない。現在、談合というと、複数の企業が事前に話し合って価格や受注者などをあらかじめ決める「違法な行為」に使われるが、このSAの名の由来は、戦国時代、このあたりの土地で覇を競っていた武田氏と北条氏が、和議のための話し合いをした坂から来ていると言われている。
また、別の説として地形由来の「団子坂」から転じたという話もある。甲府、富士五湖方面から走行すると、最後の渋滞ポイント、小仏トンネルを前に一息入れたい場所にある休憩施設であり、首都圏のドライバーにはなじみの名前であろう。
展望できない展望所
ほかにも、北海道に「本輪西展望所(もとわにしてんぼうしょ)」というPAがある。道央道の上り線(函館方面)だけにあり、設備はトイレと飲料の自動販売機のみ。
名前だけ見ると「本輪西」が展望できるようなイメージだが、本輪西は所在地の地名であり、現地に行ってみても何か素晴らしい展望が開けるとは言えないし、そもそも整備された展望台があるわけでもない。
室蘭港がかろうじて見えるが、ここがなぜ「本輪西PA」ではダメだったのか、なかなか腑に落ちないような名前でもある。
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【北海道にはアイヌ語由来の名称も】
