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日本の「高品質」が世界で通用しなくなった根本原因。「自慢したい」世界の富裕層と「こだわり」の日本人の決定的なズレ

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ドバイの都市風景
世界の富裕層は「高品質なもの」よりも「自慢できるもの」を求めている?(写真:HIT1912/PIXTA)

INDEX

超成熟化が進む日本市場において、多くの企業が海外展開の必要性を痛感している。しかし、現場では「日本の高品質な製品なら、出せば売れるはずだ」という幻想と、熾烈な現地競争の板挟みに悩み、苦戦するケースが後を絶たない。
データで読み解く 日本と世界の消費者はいま何を考えているのか』を先日上梓した、筆者の一人である野村総合研究所(NRI)タイの三宅氏は、世界25都市での大規模な「生活者アンケート」の結果から、日本企業が陥っている罠を指摘する。
そこに見えてきたのは、私たちが「当たり前」だと思っていた日本の消費観が、世界では極めて特殊な「固執的」なものであるという冷徹な事実だ。世界の消費者の心をつかむために、日本企業が捨てるべきプライドと、向き合うべき「欲望」の正体を考察する。

駐在員たちのある嘆き

『データで読み解く 日本と世界の消費者はいま何を考えているのか』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

筆者が拠点を置くタイをはじめ、ASEANやインドの現場では、日系企業の駐在員たちが強い熱意を持って奮闘している。彼らは「良い製品を、現地の消費者に手頃な価格で届けたい」という使命感にあふれている。しかし、現実は厳しい。中華系企業の台頭により、かつての「日本ブランド」の絶対的な優位性は急速に失われつつある。

現場で頻繁に耳にするのは、「本社との温度差」への嘆きだ。現地予算の不足、本社の理解不足、そして短期的な売り上げ・利益へのプレッシャー。ある現地法人の社長は、「数十万円の調査レポート一冊買うのにも本社の承認が必要で、意思決定が間に合わない」と漏らした。

日本本社から降りてくる指示が、現地のリアルな消費者ニーズと乖離しているにもかかわらず、それに従わざるを得ない。まさに「羅針盤を持たないまま、荒波の海で操船している」ような状態である。この「目線のズレ」を解消しない限り、日本企業の海外戦略は空回りを続けることになるだろう。

なぜ、日本企業のマーケティングは世界で空振るのか。その最大の要因は、世界と日本の「消費の価値観」の構造的な違いにある。

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【世界の富裕層が求めているもの】

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