大事なのは、このクラスターがミドル層の最大勢力であり、中年全体の22.1%、推計で641.4万人もいるという事実です。こういう人たちがミドル層のボリュームゾーンであることは重々認識しておくべきでしょう。
彼らのような保守的なアナログおじさんをどう意識改革するか、そして相当数を占めるこのクラスターの単身者に──従来のようなファミリー消費以外で──どうお金を使わせるかは、マーケティング的観点で見ると非常に重要です。
無趣味、無交際、家族に興味なし、超倹約家
【サンプルインタビュー:Sさん/47歳・男性】
「日本経済新聞」と「読売新聞」を愛読する、無趣味の弁護士
Sさんは弁護士。妻、高校2年生の娘、中学2年生の娘の4人家族で、妻はSさんの仕事を手伝う「専従者」扱いですが、実質は専業主婦です。
Sさんの特徴を一言で言うと、「無趣味、無交際、家族に興味なし、超倹約家」です。毎日の仕事が忙しく、家には寝に帰るだけ。テレビ以外のメディアを見る習慣はあまりありません。そのテレビすら惰性でつけているにすぎず、大河ドラマ、流行っている連続ドラマ、正月の箱根駅伝などを流し見する程度。好きな芸能人や政治家もいません(どれだけ聞いても、一切出てきませんでした)。
休みの日に取り組むこと、食や酒へのこだわりなどを聞いても、ほぼ何も返ってきませんでした。無気力というわけではないのですが、ただただ仕事をしているおじさんです。
家族旅行はほぼせず、妻の実家である福岡に年に数回、帰省する程度。歴史好きということで寺社を巡ることはあるそうですが、その場合はSさんの単独行動。「子供たちはもう高校生、中学生で、自分たちの世界があるので。友達同士でディズニーランドに行ったりしています」。
何にお金を使っているかを聞くと、「あんまり使ってない」という答え。弁護士なので娘ふたりを東京都内の私立校に行かせられる収入はありますが、車は所有しておらず、資産運用にも興味がありません。飲み代は月に10万円も使うとのことですが、「仕事関係の人となので、半分は仕事」。積極的に酒宴を楽しんでいるわけではなさそうです。
十分な収入や家族構成からして、Sさんは象徴的な"不遇なロスジェネ”ではありませんが、「メディア接触態度の保守っぷり」の点が、これ以上なく冒頭図表の「クラスター04」の特徴に当てはまっています。
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【仕事ばかりで子供への関心が非常に低い】
