前回まで、英語や国語を手がかりに、東大と京大の入試がどれほど違う思想で作られているかを見てきました。英語では、東大が「思考の速さ」を、京大が「思考の深さ」を問う試験だという話をしましたし、国語では、東大が「秩序立てて読む力」を、京大が「解釈を自分の言葉で立ち上げる力」を重視している、という対比も見えてきました。
では、社会科目ではどうでしょうか。ここでもやはり、東京大学と京都大学の違いは非常に明確です。あえて一言で言うなら、東大は「編集力」を、京大は「知識の厚み」を見ている大学だと言えるでしょう。
東大社会は二次で2科目必要
その話に入る前に、まずは構造的な違いから確認しておきたいと思います。東大文科では、一般選抜の二次試験で地理歴史・公民から2科目を選んで受験しなければなりません。つまり、たとえば世界史で受験する場合でも、世界史だけを仕上げればよいわけではなく、そこに日本史や地理など、もう1科目を追加で高い水準まで持っていく必要があります。
これはかなり重い条件です。数学や英語に加えて、社会まで2科目を高水準で維持しなければならないというのは、国公立大学でも他にない厳しさだと言えます。東大の難しさは、一問一問の内容だけでなく、こうした求められる守備範囲の広さそのものにもあります。
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【短く、しかし本質を落とさず書けるか】
