メットライフ生命の「スパイ活動」問題をめぐっては、広島銀行や福岡銀行などが26年3月以降、受け入れていた出向者が保険契約者の氏名や契約内容、保険料といった顧客情報を持ち出していたと発表している。
複数の関係者によると、顧客情報の中には契約期間の満期が近い契約者リストも含まれており、メットライフ生命が「自社商品への乗り換え営業に利用していたのではないか」という疑いが出ていたという。
そうした疑念に対しメットライフ生命は、「不適切に取得した情報を保険募集や商品開発に利用した形跡は確認されていない」としている。
他方で内部情報については、代理店の保険販売実績や販売方針、研修資料やマニュアルのほか、競合生保の商品情報もあった。
持ち出しの手口としては、紙の資料をデータ化したり、私用のスマートフォンで撮影して本社部門の担当者に送信したりしていたという。
こうした行為は、情報の内容によっては不正競争防止法における営業秘密の侵害や、独占禁止法の取引妨害などに問われる可能性がある。ただ、メットライフ生命は今回、関係する代理店からそうした指摘は受けていないとしている。
出向者を引き揚げ、再発防止策もとりまとめ
一連の不祥事を受けて、メットライフ生命では3月末までに出向者を全員引き揚げたほか、役員報酬の自主返納とコンプライアンス部門によるモニタリングの強化といった再発防止策についてもまとめた。
出向者による内部情報の無断持ち出しをめぐっては、日本生命保険、第一生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険の生保大手4社でも発覚しており、無断で持ち出した情報の件数は4社合計で3500件を超えている。
業界内でそうした不適切な行為が蔓延していた可能性があり、今後、金融庁によるさらなる取り締まりの強化が求められそうだ。
