ぎゅう丸は、店舗ごとにオリジナルメニューがある。チェーン店ではあるが、どこに行っても同じではない。その任せるスタイルが、現場スタッフたちの活気を生んでいる。
ぜんぶ、結果論
ぎゅう丸は、あと2年で50周年を迎える。この道を振り返り、浩さんは何を思うのか。
「長くやってますよね。自分でびっくりしますよ」
50年あまり、浩さんを突き動かしてきたものは、何だったのか。尋ねてみると、「いやいや、みんなわからんでしょ? やってみらんと」と前のめりに語り始めた。
「答えが出てることなんて、世のなかにはなかけん。大事なのは、自分がやったらどうなるかを知ろうとすること。知ろうとしたら、経験のないことをやらんといかん。同じ環境にいたら、今までの延長で解決しようとするでしょ。ぜんぜん違うところに飛び込んだら、それまでと違う課題が出てくる。それに対して自分がどう反応するか。それが面白い」
200回の失敗を重ねながらパイ包みスープとハンバーグにたどり着いた近藤さんにとって、「やってみたらどうなるか」は料理も経営も同じなのだろう。
直樹さんも、その哲学を受け継いでいる。東京出店も視野に入れつつ、人口が減りゆく日本市場から海外へと目を向けている。台湾出店の話が舞い込むと、「やってみよう」と決めた。アメリカでのフードトラックの話も出ているという。
浩さんに「勝算はありますか?」と聞くと、にっこり笑って、ゆっくりと答えた。
「だから、やってみないとわからない」
