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「料理人のテクニックを捨てたら大ヒット!?」…佐賀の田舎発レストランが海外まで広がるチェーンになった"納得の訳"

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ぎゅう丸の店舗外観
佐賀で始まり、現在北部九州エリアで13店舗、ベトナム2店舗まで展開しているぎゅう丸(写真:筆者撮影)
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名物のパイ包みスープ(写真:筆者撮影)

ある日、コーンポタージュにパイ生地をかぶせて焼いてみた。料理人からすると、何ら難しいことではなかった。

しかし、お客さんの反応は違った。

「こんなの見たことないって喜んでくれて。ただコーンポタージュの上にパイをのせて焼いただけ。こんなことで喜ぶの? って」

のちに、ぎゅう丸の看板メニューとなる「パイ包みスープ」が生まれた瞬間だった。口コミが広がり、パイに包まれたコーンポタージュを求めて客は増えていった。

「料理人のテクニックよりも、単純なものの方がお客さんに伝わる。あれこれ難しい料理を出すよりも、誰もがおいしく食べられる料理で違いを出すことが大切」

SNSのない時代、不便な場所に人を呼べるのは口コミだけだった。わざわざ足を運んでもらうだけの理由が必要だった。

「帰って人に話したくなるようなものじゃないと、広がっていかん。当時はわからなかったけど、あの場所に店を開いたのが正解やったなって」

(写真:筆者撮影)

おいしいで生きていく

肉汁あふれるハンバーグも、狙って作ったわけではなかった。その原点は、修業時代にさかのぼる。

修業先のレストランは、200席ほどある大きな店だった。1年半、皿洗いやタマネギの皮剥きをしながら、複数の料理人が腕を振るう姿を見ていた浩さんは、あることに気づく。

「料理人によって塩コショウの加減や火の入れ方が違う。人によっておいしいという感覚は異なる」

みんなが感じるおいしいとは何だろう。100人が100人おいしいというのは難しいかもしれない。でも、7〜8割のひとがおいしいと感じるものなら作れるはずだ。

「自分はおいしいで生きていくと決めた」

そこから研究を重ねて肉汁あふれるハンバーグが生まれたのかと尋ねると、浩さんはゆっくりと首を横に振った。

「それは、結果論」

「ぎゅう丸のハンバーグは肉汁がすごいってお客さんに言われて初めて、自分のハンバーグの特徴を意識した」

ぎゅう丸がゆめタウン博多店に出店した頃から、「肉汁」という言葉がハンバーグとセットで使われ始めたと、浩さんは感じている。「肉汁ハンバーグの走りかもしれん」と笑顔を見せる。これも、結果論だ。

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【自分のおいしいの基準を大事にする】

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