3世代が通うレストラン
平日のお昼前、幅広い客層がやってきた。女性のグループ、若い3人組、高齢のご夫婦、Yシャツの袖をまくった男性たち。子どもの手を引くお父さんも入ってきた。海外からの観光客らしきグループの姿もある。直樹さんによると、平日で120〜150人、休日はその倍の客が訪れるという。
副店長の河野さんによると、席を2時間予約してゆっくり昼を食べにくる常連さんもいるという。施設のテナントの責任者が、来客をもてなすランチの場として利用することもある。高齢のご夫婦がいつも同じ席で同じメニューを注文し、「またね」と言って帰っていく。ここに来るお客さんたちには、お腹を満たす以外にも理由がありそうだ。
「うちは、お客様との距離が結構近いんです」と河野さんは言う。勤続15年のベテランスタッフ、冨安さんに会いにくるお客さんがいる。3年目の河野さんも、もう顔を覚えられている。「よし来たよー」と言いながら入ってくるお客さんもいるそうだ。
「あったかいお店にできればなと思っています」と河野さん。
ゆったりとした空間と、丁寧に作られた料理。そして顔なじみのスタッフ。このレストランに足を運びたくなる理由はここにもあった。
「3世代で通ってもらえるレストランだからこそ、田舎町の嬉野でも50年近く続けてこられたのだと思います」と2代目社長の近藤直樹さんは語る。
佐賀県嬉野の喫茶店から始まったぎゅう丸は、福岡・長崎の直営店をはじめ、フランチャイズ、暖簾分けを含めて北部九州に13店舗。そしてなんと、ベトナム・ホーチミンにも2店舗を構えている。ハンバーグの味に惚れ込んだひとから声がかかり、店舗は広がっていったという。
片田舎の喫茶店から、なぜこの看板メニューは生まれたのか。そして、どのようにして海外にまで広がっていったのか。後編では、創業者の近藤浩会長と、2代目の直樹社長に話を聞いた。
