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1650万円のハチロク――。
いくら旧車の価格が高騰しているとはいえ、かつて多くの人の手に届くようにトヨタ自動車(以下、トヨタ)が大衆車「カローラ」に高性能エンジンを積んだ「レビン」が、そこまでの価格になっていいのか? そんな気持ちにもなるが、その手を入れた内容を積み重ねていけば、それくらいになってしまうのも納得いくというものだ。
名門トムスが現代に蘇らせたAE86
1650万円というプライスは、ベースとなる車両本体(参考価格330万円)に加え、ほぼ新品といえるエンジン本体、電気系、燃料系、吸排気系、触媒までもすべてリフレッシュ、トランスミッションなどの駆動系、車高調整式の足まわり、新たに製作した2ピースのIGETA(井桁)リバイバルホイール、タイヤ、ボディの全塗装、シート・ルーフライニング・ドアトリムの張り替え、内装および電装系の整備・交換、ステッカー・エンブレム類の交換といったフルレストアに、登録諸費用を含んだ販売価格だ。
このAE86型カローラ・レビンを「製造」したのはトヨタの純正部門ではなく、セミワークスとして長年レース活動を支えてきたレース&チューニングメーカーのトムス。そのトムスといえど、ハチロクの心臓部である4A-Gエンジンの重要部品であるブロックやヘッドをイチから作るわけにはいかない。それらはトヨタがGRパーツとして新発売してくれたから、このプロジェクトが成立したともいえる。
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【若き26歳のプロジェクトマネージャー】
