そして、そのプロジェクトマネージャーとして手を挙げ、任命されたのは、26歳の瀬戸敬太さんだ。
瀬戸さんがハチロクを知ったのは高校2年生のときだった。
「叔父にあたる人がハチロクをウチに乗ってきたんですよね。そこからハチロクを知って、いろいろ調べていって、叔父さんと一緒にレストアし、叔父さんの趣味を手伝うみたいにはじまった気がします」
当時からクルマ好きで、父親にスーパーGTへ連れて行ってもらったり、「ドリキン」ことレーシングドライバーの土屋圭市さんが出演するホットバージョンの動画も観たりしていた。そんな動画の中で知った土屋さんとハチロクの出会いは、瀬戸さんにとって鮮烈だった。それからYouTubeでハチロクのチューニング解説動画を漁り、年式や種類を調べ、知識を積み上げながら叔父と実車を直す。そんな体験が現在のキャリアへ突き進む動機となった。
名門トムスへの入社、そしてレストアプロジェクトへ
その延長で瀬戸さんはトムスに入社。設計部門でエアロパーツの3Dモデリングや3次元測定を担当。そうした通常業務を経たうえで、「AE86レストアプロジェクト」のマネージャーに抜擢された。
その仕上がった個体を前に、瀬戸さんのこだわり部分を尋ねてみた。
「トムスとしてはエアロパーツの開発もしているので、バンパーをフルで製作して付け替えるってこともできたんですよ。でも、このフォルムがあってのハチロクなので、崩しちゃいけないような……と思ったので。だから純正のスタイルを残しながら、普段は見えない下まわりの性能を上げようっていうことをやらせてもらいました」
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【純正スタイルを残しながら性能を高める】
