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ミスミグループ本社、清水新社長は〈アクセンチュア出身〉DXのプロ/「一個流しの要望にもAIで応える」本気の新戦略

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「ビジネスモデルによる差別化が欠かせない」と語る清水新社長(撮影:尾形文繁)

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約3000万点、バリエーションを含めると全800垓(1兆の800億倍)に及ぶ製品群のうちたった1つを、受注から標準2日目に出荷する。納期の順守率は99.7%。ミスミグループ本社(ミスミ)といえば、「確実短納期」の圧倒的なビジネスモデルで知られる、メーカー兼商社である。扱うのはFA(ファクトリーオートメーション)部品や金型をはじめ、製造現場の消耗品まで多岐にわたる。そんなミスミで、数々の企業でDXを推進してきたCIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー=最高情報責任者)出身社長が誕生した。掲げるのはAI活用だ。近年の成長軸である「デジタルモデルシフト」など、さらなるDXをどう主導するのか。4月に就任した清水新社長を直撃した。

――大野龍隆前社長の在任期間は12年に及びました。どのように社長就任を打診されたのでしょうか。

昨年末、大野前社長から「今まででいちばんまじめな話がある」と打診された。大野さんは、社員からの信頼が厚く、彼が退任することに最初は驚いた。だが私がミスミに執行役員として加わったのは、会社に新しい風を入れるためだ。今はインターネットが出現して以来の大きな変革の時代。AIやDXでその変革を主導しミスミをさらに成長させてほしい、という言葉を重く受け取った。

――清水さんの社長就任の根底にあるミスミの課題は何でしょうか。

ミスミはカタログ販売による標準化から始まり、近年では部品の3Dデータをアップロードするだけで瞬時に見積もりができるAIプラットフォーム「meviy(メビー)」など、新しいことに昔から挑戦してきた。だが、技術の進歩により、同様のビジネスへの参入障壁は低くなっている。しかも、昨年はアメリカの関税、今年は中東情勢の問題と、毎年大きな異変が起き、会社の成長も鈍化している。変化に対応する力をつける必要がある。

当社の特長は顧客基盤が厚いことだが、データの規模に溺れてしまっているきらいがある。世界で約32万社、何千万人というユーザーがいる。商品数も約3000万点ある。その分、商品の管理が大変だ。経営効率が悪化すると、われわれの強みである「ビジネスモデルによる差別化」が生かせない。

――その課題に対応するために、どのようなDXを進めてきましたか。

ミスミでは顧客から電話で、技術サポートや納期変更などさまざまなリクエストが来る。それらが経営の足かせにならないよう、基幹システムを根本からつくり替えた。

清水 新(しみず・あらた)/1972年生まれ、山梨県出身。成蹊大学工学部卒業後、97年現アクセンチュアに入社、2015年より執行役員を務める。20年よりミスミグループ本社(ミスミ)社外取締役。24年ミスミ入社、専務取締役CIO(最高情報責任者)などを経て26年4月より社長(撮影:尾形文繁)

「一個流し」の要望にも柔軟に対応

基幹系のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を呼び出し、言語によるリクエストを処理して完了させるまで、すべてをAIが担う環境が整っている。例えば顧客から注文キャンセルのリクエストが来るとAIが参照し、可能であればそのままキャンセルして顧客に連絡できる。

こうした仕組みは発想としては存在しても、大手企業の基幹系をここまでつくり込む根性と度胸は珍しいだろう。この基幹システムの普及は今年9月に海外も含めた全グループ法人で完了する。レガシーシステムに阻まれて新しい挑戦ができないという状況は、ミスミには当てはまらない。

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【ミスミ流DXの真髄】

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