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〈エムットの成果は本物〉三菱UFJ銀行の大澤新頭取が放つ「デジタル総力戦の号砲」、共通IDで築く新金融経済圏

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「エムットは非常に強い競争力を発揮できている」と語る大澤正和新頭取(撮影:尾形文繁)

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「金利のある世界」の定着で収益環境が大きく改善した一方、預金獲得競争が激しさを増すなど銀行を取り巻く環境は一変した。そうした中、4月に三菱UFJ銀行の新頭取に就任した大澤正和氏が成長戦略の土台に据えるのが、昨年始動したリテール戦略「エムット」だ。2025年度は個人口座開設数が前年度比で約5割増え、クレジットカード発行枚数もほぼ倍増。26年度中の設立を目指すデジタルバンクをテコに、グループ横断的な顧客基盤強化策を進める。将来の本格的なAIエージェント実装も見据える新頭取に、「トップバンク」が打ち出す新たな一手を聞いた。

――中東情勢などを背景に、企業や個人の間でインフレ高進への懸念が高まっています。銀行としてどのような取り組みに注力していきますか。

中東情勢は大きく揺れており、今後半年から年内にかけて、さまざまな影響が顕在化してくるだろう。すでにインフレ圧力やサプライチェーンの混乱などが現実の問題として起きている。そうした外部環境の変化は、当行の取引先にも広く影響を及ぼすことになるため、銀行の果たすべき役割はむしろ大きくなる。

資金繰りはもちろん、サプライチェーンの再構築といった課題に対して、当行グループが持つ国内外ネットワークを活用し積極的に支援していく。環境が不安定なときほど、最初に相談される存在でなければならないし、その期待に応えられる体制をつくっていく。

個人向けも同様だ。NISAを契機に貯蓄から投資への動きが広がり、リスク資産への資金シフトが進んできた。しかし、これから先はマーケットの不透明感が強まる可能性がある。そうした中で、適切なガイダンスを示し長期的な資産形成を支えていくことは、金融機関の重要な責務だ。個人向けのリテールビジネスでも、社会課題の解決に資する取り組みを進めていく。

大澤正和(おおさわ・まさかず)/1968年生まれ。91年東京大学法学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。リテール企画部や国際企画部などで従事し、米モルガン・スタンレー出資やアユタヤ銀行(タイ)買収プロジェクトなどに参画。2017年から銀行およびグループのデジタル戦略を所管。20年常務執行役員CDTO(チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサー)、25年専務執行役員、26年4月から頭取(撮影:尾形文繁)

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