とくにラーメンは、ビジュアルこそ昔ながらの町中華スタイルだが、煮干しや香味野菜の旨みを感じる奥深い味わい。他の中華チェーンのラーメンとは完全に一線を画している。
「丸福飯店」も、系列の「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」のように展開していけば、中華チェーンの市場構造が大きく変わる可能性もある。そこで後日、物語コーポレーションの代表取締役社長、加藤央之氏に話を聞いてみた。
490円の中華そばが示した新たな日常使い
「まず、『濃厚中華そば 餃子 丸福』での失敗があったからこそ、『町中華 丸福飯店』が生まれたのだと思っています。中華そばも餃子もとことんこだわって作ったのですが、お客様に伝わりにくかった。もっとわかりやすくしなければと思ったんです」(加藤社長)
明確なコンセプトとして町中華業態を打ち出したのだとすると、すでに「大阪王将」が町中華スタイル「新御茶ノ水 萬龍」を展開している。筆者の地元では、中華レストランの「浜木綿」も「中国食堂はまゆう」を手がけている。いずれも昔懐かしい町中華の復刻がコンセプトとなっている。「丸福飯店」はメニューこそ町中華だが、先発の中華チェーンとは大きく異なる。
それは店の外観からも伝わってくる。看板に赤や黄色を強く出すと、大陸系中華に寄ってしまうため、白地に黒の文字で店名が書かれている。店のロゴマークと雷紋がアクセントとして赤であしらわれている。
そして、店の入り口に掛けられたのれんには大きく「中華そば」と書かれている。実は、これこそが「丸福飯店」のコンセプトそのものなのだ。
「ラーメン市場と中華料理市場、それぞれ約5000億円規模の巨大マーケットを見渡したとき、その間にぽっかりと空いたポジションがあることに気づいたんです。ラーメンを食べに行く店はある。中華料理を食べに行く店もある。でも、ラーメンを食べに行く中華料理店は、ありそうでなかった」(加藤社長)
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【ワンコインというわかりやすさ】
