東洋経済オンラインとは
ライフ #“聖地”巡礼 あの名作の舞台地を訪ねて

「鉄道を拒否した城下町」栃木県大田原市が、朝ドラ『風、薫る』の聖地になるまで…移住者急増「那須塩原市」との明暗

8分で読める
風、薫る 聖地
NHKの朝ドラ『風、薫る』の舞台、栃木県大田原市。歴史に翻弄された場所でもあります(写真:筆者撮影)
  • 古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家
2/5 PAGES

江戸時代、黒羽には石高2万石ほどの「黒羽藩」があり、藩主の大関家は、下野国の大名「那須家」を支える「那須七党」の一角として、代々この地を治めてきました。

大雄寺は藩主・大関家の菩提寺であり、代々の墓所があります。本堂や総門などの茅葺きの建物が印象的で、国の重要文化財に指定されています。

「黒羽山 大雄寺」の本堂前には300株を超えるボタンが植栽されており、4月末頃に見頃を迎えます(写真:筆者撮影)

「和」の父・大関増虎は藩主・大関一族でもあり、黒羽藩の家老を務めていました。母もお隣・烏山藩(現那須烏山市)藩士の娘であり、「和」は生粋の「那須の武家の娘」として1858年(安政5年)に生まれました。

「和」の生家は、黒羽城址公園から大雄寺を経て続く古道「大宿街道(だいじゅくかいどう)」沿いにあったとされ、そこには記念碑やデザインマンホールがあり、ドラマのファンが記念写真を撮っていました。

付近にある黒羽小学校の門には、黒羽藩家臣・大沼家の門が移築されています。

『風、薫る』の放送を記念し、ヒロインのモデル・大関和をイメージした「チカちゃん」がデザインされたマンホールが、生家そばに設置されています(写真:筆者撮影)
激渋な黒羽小学校の校門。移築されたリアル武家屋敷門です(写真:筆者撮影)

町内には、源平合戦で活躍した「那須与一」の活躍をたたえる「那須与一伝承館」があります。11月3日まで『風、薫る』関連の特別企画展が開催されており、「和」の生い立ちや取り巻く人々、当時の衛生環境などを伝える展示は必見です。

また、隣接する「道の駅那須与一の郷」では、当時「和」が愛したとされるフレンチトースト「パン・ペルデュ」をイメージしたジェラートがお土産として人気を集めています。

右が「パン・ペルデュジェラート」。フレンチトースト風味でした。左は定番の人気商品「ミルクジェラート」(写真:筆者撮影)

歴史に翻弄された、栃木県北の中心地「大田原」

聖地・黒羽がある大田原市は、近代化の波に大きく翻弄された過去があります。

黒羽や大田原といった町は、古くから街道沿いの宿場町として栄えてきました。古くは東山道、江戸時代には「五街道」の1つである奥州道中(旧奥州街道)が通る交通の要衝です。

次ページが続きます:
【大田原は物流の主役の座を奪われてしまった】

3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象