死んだ後も、とも子さんは国内外で暮らす野上の子や孫を相手に訴訟を続けている。
「相続人として、あなたが本件訴訟の被告となりました」
数百万円の損害賠償を請求する訴訟の通知が裁判所から届けられると、血縁の子や孫はすぐに相続放棄に着手した。
娘の1人は「何十年も連絡をとってなく顔も見ていない状態で一切かかわりがありません。遺産放棄の手続きをしている最中です」と裁判所に説明している。
この訴訟を取り下げない理由
相続人を探して裁判を続けることについて、とも子さんは葛藤も語る。
「正直に言えば、血縁者とはいえ、すでに関わりのない人を相手に訴訟を続けることに、申し訳なさもあります。
それでも、私たち家族は深く苦しめられ、友だちも離れていき、大変な思いをさせられました。
謝るどころか、有罪判決が出たあとも誹謗中傷を続け、罪に罪を重ねたまま死なれて、私は悔しいです。罪を認めてくれていたら終わることができたはずです。
子どもが悪いことをしたら、親の私が『ごめんなさい』と謝ります。誰かに罪を認めて謝ってもらいたい。その思いで続けています」
こうした訴訟に対しては、「金目的」といった心ない声も寄せられる。
しかし実際には、長期化する裁判は精神的な負担も大きく、裁判を起こしたところで回収できる金額は少なく、費用の負担のほうが大きいケースも珍しくない。
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【加害者と血縁関係のある女性「なんでこんなことに」】
