捜査機関の取り調べで語った言葉からは、野上がいくら「デマ」や「虚偽」を指摘されても、それを受け入れようとしない人物像がうかがえる。次のような発言も残されている。
「(ブログの)内容が核心的なことであれば、嫌がらせや妨害をうけるという自分なりの判断基準があり」
「私の信念は、正義は見て見ぬふりをするな 法律があっても自分が法律だ」
刑事裁判の法廷でも謝罪はなく、理解に苦しむ主張を繰り返した。傍聴席で、とも子さんはメモを取る手を途中で止めたという。
家宅捜索で撮影された写真には、野上が犯行に使ったパソコンと向き合う姿がある。
パソコンの置かれたデスクがきれいに整頓されていたのとは対照的に、すぐ横にかけられたカレンダーはめくられないまま、時間だけが過ぎていた。
何十年も顔を合わせていない「父親」の投稿で“被告”に
とも子さんは2022年、民事でも損害賠償を求めて提訴したが、訴訟はなかなか進まなかった。
野上は体調悪化を理由に入退院を繰り返した。「次回期日に参加できるか体調面が不安です」と裁判所に電話をしてから、1週間も経たぬうちに、心不全で死亡した。2023年9月だった。
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【相続人相手に訴訟を継続】
