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海外政府・企業の人民元建て起債が急増、イラン戦争などで安全資産としての需要拡大/揺らぐドル一極体制

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中東情勢が緊迫化するなか、「安全資産」としての元建て債への人気が高まりつつある(写真はイメージ、jazzblues / PIXTA)

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世界の金融市場の不安定さが増している中で、比較的安定した通貨である人民元建て債券による資金調達が急増している。アメリカ・イスラエルとイランとの軍事衝突で基軸通貨ドルへの不安も出るなか、人民元が「安全資産」とみなされ資金が流入、低利の資金調達が可能になっているためだ。

2026年4月9日、カザフスタンの政府系ファンドであるサムルク・カズィナが、30億人民元(約700億円)のパンダ債を初めて発行した。パンダ債は、中国国外の政府・企業などが中国国内で発行する人民元建て債券。今回の起債は期間3年、表面利率2.18%での調達が可能となった。中央アジア地域および上海協力機構(SCO)加盟国がパンダ債市場で資金調達するのは今回が初めて。

ユーロ圏諸国の政府も発行

4月第1週のパンダ債発行額は50億人民元(約1200億円)に達した。このうち40億人民元は4月2日にスロベニア政府が発行した期間3年のパンダ債が占める。これによりスロベニア債は26年における初の海外政府、政府機関による起債となっただけでなく、ユーロ圏で初めてのパンダ債発行国となった。

26年のパンダ債市場は「爆発的増加」の様相を呈している。3月の発行総額は338億人民元と、25年3月の3倍に達した。1~3月期の発行額は既に890億人民元を上回り、25年の年間総発行額のほぼ半分に迫っている。

一方、香港などオフショア市場で発行される人民元建て債券である点心債も急増している。26年3月には157件が発行され、総額は1500億元超と、前年同月の約3倍となった。

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【中東情勢緊迫化の影響は?】

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