ニデックでは昨年、イタリア子会社の関税未払い問題を発端として不正会計を疑わせる事案が相次いで浮上。ニデック本体やグループ会社でも経営陣の関与・認識のもとで不正な会計処理が行われた疑いも指摘され、昨年9月に設置された第三者委が調査を進めていた。
青山学院大学の八田進二名誉教授は報告書について、「細かいことをいろいろ調べているが、一番悪質だった事案がどうしてそうなったかという一気通貫での説明はない」との印象を持ったと述べた。
ニデックは17日の開示資料で、第三者委の調査報告書を厳粛に受け止めた上で速やかに改善計画・状況報告書の改訂を行っていくとした。6月に予定する定時株主総会で新たな取締役候補者を選ぶ際の選任方針や選任・解任基準を改定することも記した。
不正会計を巡る人事処分については、既に小部博志元会長ら一部の元経営陣が辞任。先月立ち上げた役員責任調査委員会では過去の役員も含めた法的責任の有無も調べていく。岸田氏は第三者委からガバナンス(統治)不全を指摘された取締役会についても見直す方針を示していた。
上場廃止を避けるには
東京証券取引所は昨年10月、内部管理体制などで改善の必要性が高いとしてニデックを特別注意銘柄に指定した。ニデックは指定から1年後となる今年10月末に内部管理体制確認書を提出する方針だが、審査の結果次第では上場廃止となる可能性もある。
特別注意銘柄の解除には東証から再発リスクが十分に低減されたと判断されることが重要で、会計・財務プロセスの見直しや監査体制の強化など不正が起きにくい環境を作り、一定期間の実績も示す必要がある。
SMBC日興証券の桂竜輔アナリストらは4月2日付のリポートで、過去の拡大戦略の結果生じた「負の遺産」を全て処理することと東証に提出した改善計画書に基づき、内部管理体制の再整備や適切な運用を行うことで特別注意銘柄の指定解除に取り組むことが最優先だと指摘した。監査人との信頼関係を再構築することも必要になるとの見方も示した。
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