政府が主導する「就活ルール」は存在するものの、実態としては早期からの選考に動く企業もあります。
就職エージェントの中には、まだキャリアについての理解が不十分な大学1〜2年生のうちにサービスの登録を勧めるところも少なくないようで、こうした点も少々、心配です。
大学の注意喚起の状況と、学生たちの「生の声」
現在、多くの大学のキャリアセンターが公式SNSや学生へのオリエンテーションなどでオワハラに関する注意喚起を行っていますが、それでも思い悩む学生はいます。
以下は、私が大学のキャリアセンターに勤める知人から聞いた、学生から寄せられた声の一部です。いずれも就職エージェントサービスの利用者です。
「『君を信じているから、今この場で他社のマイページを退会してほしい』と言われました。担当の方には長くお世話になってきたし、期待に応えたい気持ちがあるのですが、本音としてはまだ就活を続けたい。悩んでいます」(私立大4年・男子)
「エージェントから『今の時期にここを蹴ったら、もう同条件の求人は出ない』と詰め寄られました。自分を否定されたような気分になり、怖くなって一度は承諾してしまいました」(国立大4年・女子)
この2人はいずれもキャリアセンターに相談したことで、意に沿わない承諾は避けられたそうですが、精神的に追い詰められてしまう学生も少なくないはずです。
学生ができる対策として、まず「内定承諾書や誓約書に法的拘束力はない」という事実を正しく認識することは不可欠です。
企業から即答を迫られても、「人生の重大な決断なので、家族と相談して明日回答させてください」といったん持ち帰り、物理的な距離を置く勇気を持ちましょう。
また、やり取りの記録(メール、録音、メモ)を残しておくことも重要です。
もし強引な引き止めにあった際は、1人で抱え込まずに大学のキャリアセンターや公的な相談窓口へ速やかに報告してください。企業側は「学生は情報に乏しく、孤立している」と見なすと強気に出る傾向がありますが、背後に大学という組織がついていることを示すだけで、事態が沈静化するケースも少なくありません。
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【大学は学生の権利を守る最後の砦に】
