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人口わずか4300人「豪雪地帯の料理旅館」がアジアのベストレストランに選ばれたワケ《100kg超のクマを解体、朝採り山菜も》

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出羽屋 外観
世界の美食家はなぜ人口4300人の山へ向かうのか(写真:筆者撮影)

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英誌主催「アジアのベストレストラン50」の100位以内に、2026年は山形県西川町の山菜料理出羽屋が初めて選ばれた。出羽屋は山形駅から車で約40分の場所にありアクセスがいいとはいえない立地にある。いったいなぜ、世界の美食家は出羽屋へ向かうのだろうか。

アジアのベストレストランに選ばれた出羽屋とは?

「思いもかけない連絡で、本当に驚きました」

出羽屋の主人、佐藤治樹さんは、今年2月、ランキング入りの連絡を雪かきの最中に受けた。西川町は、人口約4300人の街で積雪量が5mを超えることもある豪雪地帯だ。面積の大部分が森林と山地で、修験道の霊場である出羽三山の主峰月山(標高1984m)と朝日連峰に囲まれている。

山形駅から車で40分ほどの場所にある出羽屋(写真:筆者撮影)
【写真を見る】人口わずか4300人「豪雪地帯の料理旅館」がアジアのベストレストランに選ばれたワケ《100kg超のクマを解体、朝採り山菜も》(13枚)

今回佐藤さんが受賞した「アジアのベストレストラン50」は、アジア各国の料理関係者が投票で選ぶランキングで、1位から100位までの順位がつけられる。2026年の100軒のうち、日本からは東京を中心に18軒の店が選ばれた。

出羽屋は1929(昭和4)年に治樹さんの曾祖父が創業した料理旅館で、佐藤家が長年家業としてこの旅館を守ってきた。1988年生まれの治樹さんはその4代目。春・夏にかけて採れる30種類以上の山菜から始まり、近隣農家の夏野菜、秋のきのこ、冬のジビエや保存食と、四季を通して山の恵みが出羽屋の料理の主体だ。みずからも山に入り、「山と生きる、山に生きる」伝統的な食生活を現在でも守り続けている。

出羽屋では、遠方から訪れるゲストに向けて季節の山菜料理や、月山山菜そばを提供している。今回ランクインした出羽屋の「シェフズテーブル」は、治樹さんが1日ひと組をもてなすために2020年から始めた新しいダイニングだ。

出羽屋シェフズテーブルで料理する佐藤さん。2023年(写真:筆者撮影)

「シェフズテーブル」は、地元の伝統食材や調理法をベースに、佐藤さんのフィルターを通したコース料理が提供される。

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【その日の朝に山から採って来た山菜を使って…】

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