そして、あなたが人生を送る中で過去の自分の物語を聞かせてくれた人びとは、きわめて重要な導き手となる。より広範な視点をもたらすことによって、人生を生き延びて耐え抜くというより長い道のりの中に、あなたの苦闘を位置づけてくれるからだ。
たとえば、私は自分が苦境に陥ったとき、ナチスに追われながらも生き残った祖母のことを考える。祖母があれだけのことをやり抜いたとすれば、どうして私が自分の問題を制御できないことがあるだろうか、と。
未来の自分から現在の自分を眺めてみる
自分を未来に置いてみよう。
1週間後、1カ月後、1年後、あなたはこの出来事についてどう感じるだろうか?
人生の終わりまで行ってみよう。おそらく、いまから数十年後のことだろう。そのとき、この出来事はあなたにとってどんな意味を持つだろうか?
心のタイムトラベルをツールとして使うとは、無常という概念を自覚的に意識するということだ。
ストレス要因について将来自分がどう感じるかを考えてみれば、いま経験していることは、たとえその瞬間はどれほどつらくてもやがて過ぎ去るものだと実感でき、いまこの瞬間に対処するのに必要な強さを手にできる。
悲しみや嘆きに暮れているとき、その気持ちが永遠に続くことはないと想像するのは難しいかもしれない。だが真実は、物事は常に変化し続けているということだ。
欲望も、状況も、信念も。視野を広く持ち、「これもまた過ぎ去るのだ」という知恵を思い出せれば、人生の無常に思いを致すことになり、必ず気分が楽になるものである。
(翻訳:鬼澤忍)

