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スマホで「学力低下」は本当か? 情報メタボを脱する「真っ白な紙」と、AI時代に生き残る真の賢さとは【後編】

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子どもたちに「真の賢さ」を授けるには、いったい、どのような教育が必要なのでしょうか(撮影:尾形文繁)
  • 平井 孝志 筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授
  • 西岡 壱誠 ドラゴン桜2編集担当
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平井:それこそ図式化的な手作業の出番ですね。参考書に線を引っ張ったり、◯で囲んだり、あるいは重要箇所に付箋を貼ったりするだけでも、学習効果がだいぶ違ってくる。大事な情報が関連付けられるので、2度目、3度目と見返すときに劇的にスピードが上がり、勉強がはかどるはずです。

「合理性」だけでは賢くなれない

西岡:最後にもう1つだけいいですか。生成AIについては前回も話題にのぼりましたが、教育においても、今後ますます重要なテーマになっていくでしょう。端的に言えば、人から教わるのと、生成AIから教わるのとでは、どちらのほうが効果的か。

スポーツ科学の世界には、「科学的に正しいトレーニング法でも、選手自身がそれに納得していなければ効果は上がりにくい。逆に科学的な裏付けのないトレーニング法でも、選手が納得していれば効果が上がりやすい」というデータがあるそうです。要するに一番重要なのは、本人の納得感や信じる気持ちである、ということですね。教育にも同じようなことが言えるのかなと思います。

平井:たしかに気持ちの問題は重要ですから、合理性だけで教育を語るのは危険ですね。

西岡:どれだけ合理的に「この勉強法がいい」と示したところで、効果を左右するのは、本人のやる気ですからね。生成AIには、そういう気持ちの部分を扱うことはできません。

情報をまとめてもらったり、壁打ち相手になってもらったりと、生成AIを便利に使うことはあってもいいのでしょうが、「Why(なぜやるのか)」という問いから始め、「モチベーション高く行動する」という領域は、どこまでも人間が保持しなくてはいけないと思っています。

平井:そう考えると、「人間の先生」の存在意義も大きいですね。私がラッキーだったのは、中学生のときに、知的好奇心をかき立ててくれる先生がいたことです。何もないところから「これを知りたい」「これを理解したい」という意志、熱意を沸き立たせる。こうした心の動きは「人間にしかないもの」であり、「人間にしか起こせないもの」です。

西岡:生成AIは物事を簡潔に説明することはできても、「なぜかわからないけど、これを解明したい」というゼロからの探究心を作り出すことはできませんからね。

平井:ですから、教育における生成AIの是非を問うというよりは、使い方次第なのかなと思います。いかに人間の領域に生成AIの合理性を組み合わせるかという点にこそ、人が真価を発揮できる余地があるでしょう。

(構成/福島結実子)

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