「外貨調達に関する政府支援の枠組みがなければ、第2弾以降の対米融資を検討の俎上に載せることは難しい」
日米間で合意した5500億ドル(約87兆円)に上る対米投融資(戦略的投資イニシアティブ)をめぐり、政府と3メガバンクが定期的に開いている官民協議。この場で、銀行側がこうした意向を伝えていることがわかった。
2月18日に発表された総額360億ドル(約5.7兆円)の第1弾案件については、日本貿易保険(NEXI)の保証により最終的な損失発生リスクが生じないことなどを前提に、銀行側が融資に応じる構えだ(詳細はこちら)。
ただし、各プロジェクトの経済条件や事業の詳細について不確定要素が多く、融資の実行にあたっても外貨調達などさまざまな課題が浮上している。3月19日に発表された総額730億ドル(約11.6兆円)の第2弾以降については、「課題の解消が見通せなければ融資の実行には踏み切れない」(メガバンク幹部)との慎重姿勢を強めている。
途方もないドル調達
メガバンクにとって対米投融資の最大の課題となっているのが、ドルの確保だ。
5500億ドルの対米投融資は、ほぼ全額を国際協力銀行(JBIC)と3メガバンクの融資で賄う見通しで、融資割合はJBICが3分の1、残り3分の2をメガバンクが担うと想定される。金額にして、JBICが1815億ドル(約28兆円)、メガバンクが3630億ドル(約57兆円)を実行することになる。
メガバンクは政府との協議の中で、この比率をJBIC6割、メガ4割に見直すよう求めているが、「交渉は難航している」(関係者)という。
メガバンクが神経を尖らせているのは、この巨額資金をすべてドル建てで手当てしなければならないからだ。いずれの融資案件も長期のプロジェクトファイナンスのため、その金額に見合った中長期のドルを確保する必要がある。メガバンクは平時から外債発行や通貨スワップなどで中長期のドルを市場から調達しているとはいうものの、今回は規模の“次元”が異なる。
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【深刻なドル資金不足の恐れ】
