この中でもっとも高く評価されている治療法が、「運動療法」です。推奨度は最上位の「1(行うことを強く推奨する)」、エビデンスレベルも「B(中程度の確実性)」とされています。
次点は「認知行動療法」で、同じくエビデンスレベルはBですが、推奨度は「2(行うことを弱く推奨する)」です。「認知行動療法」とは、痛みへの不安や誤った認識を正していく心理療法の一種です。
「薬物療法」は「2(使用することを弱く推奨する)」、エビデンスレベルも「B」となっており、短期的であれば痛みをやわらげる効果はあるが、長期的な有効性と安全性は確立していないとされています。オピオイド系鎮痛薬については、むやみに長期間使い続けるのではなく、必要な範囲にとどめるべきと明確に述べられています。(※3)
そして「手術療法」については、このガイドラインでは、“慢性の痛みそのものを治すために、手術を安易に選ぶべきではない”という立場が示されています。(※3)
推奨度は「2(施行しないことを弱く推奨する)」とされています。(※3)
最新の研究でも、「画像検査で明らかな異常がある」「運動療法や心理的アプローチ、薬物療法を十分に行ってもなお強い痛みが続く」というケースにのみ、慎重に手術を検討するとされています。(※4)
そのため、慢性疼痛における手術療法は、強く否定されているわけではないが、だれにでも積極的にすすめられる治療ではない。また手術の前に運動療法や認知行動療法などを実施するというのが、ガイドラインに沿った理解です。
「いつ治るの?」に答えてくれない病院
昔は「痛み=手術」という流れがあたりまえでしたが、現在では「できれば避けるべき」とされるようになっています。つまり、「腰痛は薬や手術よりも、運動や心のアプローチでよくなる可能性が高い」ということが広く認められているのです。
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【「3カ月以上治らないなら、その通院には意味がない」】
