イギリスの鉄道「民営化後に再国営化」複雑な現状 新たな「国鉄」ロゴやデザイン発表、見た目が先行
今後の焦点は、これまで分断されていた鉄道が実際に一つのシステムとして機能するかどうかにある。組織、運賃、情報提供、運行といった各要素がどのように統合されるかが問われることになるが、それにはまず法制度の整備が欠かせない。
同時に忘れてはならないのは、イギリスを走る初の本格的な「新幹線」といえる高速鉄道HS2の建設が着々と進んでいることだ。開業時期こそ不透明ながら建設は継続しており、「既存鉄道の再統合」と「将来への巨額インフラ投資」という2つの流れが同時に進んでいる。
過渡期の象徴だった「ラストラン」
こうした過渡期を象徴する、忘れがたい光景が生まれた。
3月20日深夜23時36分のロンドン・ウォータールー駅。クラス455の、同駅からの最後の出発となる列車がホームで発車を待っていた。
クラス455は、本来であれば25年12月のさよなら運転をもって引退していたはずの車両だ。だが、後継となるクラス701の導入が遅れたことで、当初の引退予定より3カ月ほど長く運用されることになった。
ウォータールー駅からの最終列車の発車時には、そのクラス701が隣のホームに停車していた。車体側面にはユニオンフラッグの配色とともに、「Great British Railways | Coming soon(GBRまもなく登場)」のロゴが見える。
クラス455は国鉄時代に製造され、その後の民営化を経て運用を続けてきた。「GBRまもなく登場」という表示が掲げられる中で、国鉄時代の旧型車両が運用を終えた。そして、この車両が最後まで残ったサウス・ウェスタン鉄道はすでに国営化されている。
新時代のイギリスの鉄道を担う新型車両、運用を終える国鉄時代の旧型車両、そして「GBRまもなく登場」のスローガン――これらが同時に並んでいる状態は、まさにイギリスの鉄道界が過去50年にわたって試行錯誤を続けてきた象徴的な場面だったといえよう。
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