「無知だと思われて…」「AIに聞くから」上司に相談しない"今どきの若手"が考えている事――「気軽に相談」の声かけがNGな訳

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② 業務を振る際に「わからなくて当然」と伝えておく

無知だと思われたくないという不安には、この言葉が効きます。業務を振る際に、上司が先手を打って「この仕事は難しいから最初はわからなくて当然だよ」伝えておくと、相談のハードルが下がります。

相談してくれたら、「相談してもらえて安心した。こうやって理解を深めていくことが大事だよ」と伝えることで、若手の中にある「相談=弱さ」という誤った図式を書き換えることができます。

これを繰り返すことで、相談しやすい雰囲気が作られます。

③ 相談役のメンバーを立てる

声がけと併せて、相談体制を強化することも大事です。

管理職が相談対応をするのではなく、中堅どころのメンバーに「相談しやすい先輩」になってもらいましょう。「困ったらまず○○さんに声をかけてみて」と橋渡しをすることで、若手の相談先の選択肢が広がります。

また、部署を超えた社内ネットワークの存在を教えておくことも、Aさんのようなケースの防止につながります。他部署への相談を促す際は、「まずは私から担当者に一言入れておくね」とひと言添えるだけで、若手の心理的ハードルは大きく下がります。

AIへの相談では見えないこと

冒頭に登場したAさんは現在、部署異動を経て、負荷が少ない仕事をしています。相談は今も苦手そうですが、体調はひとまず順調に回復しています。過去を振り返る余裕もでき、「これからは早く相談するようにします」と宣言してくれました。

この2人のケースは、結局のところ上司と部下のコミュニケーション不足が引き起こしたこと。皆が忙しい中、生成AIに相談する人が増えており、人への相談は今後ますますハードルが上がるでしょう。

しかし、人に聞かなければ本質的な問題の解決につながらないことも多いものです。それだけでなく、ぬくもりのある対話は孤立を防ぐ効果もあります。迷惑をかけてもいい、失敗してもいいと感じさせることができるのも、対話の力です。

こちらから近づいて声をかけるのは、AIにはできないこと。短い時間で構わないから、声をかける。その行為が若手の心をほぐし、彼らを守ることにつながります。

船見 敏子 公認心理師、産業カウンセラー、1級キャリアコンサルティング技能士

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ふなみ としこ / Toshiko Funami

株式会社ハピネスワーキング代表取締役。大手出版社で雑誌編集に携わり、1000人超の著名人を取材。インタビュースキル向上のためにカウンセリングを学んだことを機に、2005年、カウンセラーに転向。以後、全国の企業、自治体等でメンタルヘルス対策及び組織のウェルビーイング向上支援を行う。これまでに約1000社、10万人のケアに関わり、メンタル不調者を6割減らした実績も。ストレスチェックに精通し、分析結果に基づく職場改善コンサルティング・研修も多数実施。著書に『戦略的休暇』(ぱる出版)、『結局、いいかげんな人ほどうまくいく』(PHP研究所)など多数。

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